交通事故における行政処分(違反点数や免許停止など)は、事故の内容によって大きく異なります。特に「軽傷の人身事故」であっても、ケースによっては違反点数が加算されない場合があるということをご存じでしょうか?本記事では、点数の有無を左右する判断基準や、実際に誰が決定しているのかをわかりやすく解説します。
交通事故と違反点数の基本的な仕組み
交通事故を起こすと、加害者には「行政処分」が科されることがあります。そのひとつが運転免許に対する違反点数の付加です。これは、警察の取調べや事故状況の報告書をもとに、公安委員会が処分を決定します。
例えば、人身事故で過失が認められれば、原則として以下のような点数が加算されます。
- 死亡事故:20点以上
- 重傷事故:6〜13点
- 軽傷事故:2〜5点
ただし、軽傷事故であってもすべてのケースで点数が加算されるとは限りません。
点数の有無を判断するのは警察官ではない
事故現場に臨場した警察官は、主に事故の実況見分や関係者からの事情聴取を行い、事実関係を記録する役割を担います。
違反点数の付与や行政処分の決定は各都道府県の公安委員会が行うため、現場の警察官が点数をその場で判断することはありません。あくまでも提出された事故報告書をもとに、事故の内容・過失割合・負傷の程度などが総合的に評価されます。
点数が付かないことがあるケースとは?
ごくまれにですが、次のような状況では人身事故であっても違反点数が付かないことがあります。
- 過失割合が極めて低く、相手側の不注意が大きい
- 被害者が軽微な怪我で診断書を出したものの、治療実績がない
- 事故態様が物損に近く、捜査機関が「非該当」と判断した場合
ただし、これらはあくまでも例外的な扱いであり、多くのケースでは何らかの点数が付くことが一般的です。
軽傷人身事故とされる具体的な例
軽傷事故と分類される例としては、「打撲」「擦り傷」「むち打ち」などが挙げられます。診断書の治療日数によっても処分の重さが変わることがあります。
例えば、「全治5日間」の診断書が提出された場合と「全治30日間」の場合では、点数の重さや行政処分の対象となるかが異なるため、診断内容と実態が一致しているかも重要です。
事故後にやるべきことと注意点
行政処分の対象となるか否かに関わらず、事故を起こした際には次の対応が重要です。
- すぐに警察に連絡し、現場検証を受ける
- 被害者と誠実に連絡を取り合い、保険会社とも連携する
- 診断書の内容に注意を払い、必要があれば意見書などを提出する
また、誤解や不正確な診断書によって重い処分が科されるケースもあるため、医師との確認もしっかり行いましょう。
まとめ:点数の有無は警察官ではなく公安委員会の判断
軽傷の人身事故における違反点数の加算は、自動的に行われるわけではなく、公安委員会が事故内容と証拠資料を精査して決定します。現場の警察官は判断に関与しません。
軽微な過失や被害者の治療実績が乏しいケースでは、例外的に点数が付かない場合もありますが、それにはきちんとした手続きと根拠が必要です。事故を起こしてしまった場合は、慎重な対応と情報収集を行いましょう。
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