スズキエブリイのような軽商用車は、日常の配送業務や街乗りで酷使されることが多く、足回りやブレーキ系統にさまざまな負担が蓄積します。特にブレーキ異音や金属の擦れるような音が発生すると、不安に感じる方も多いでしょう。今回は、走行距離が10万kmに近づく車両で見られる典型的なブレーキや足回りの不具合例とその対策について詳しく解説します。
ブレーキからの「キーキー音」の正体とは
ブレーキを踏んだ際に「キーキー」と高い音が鳴る原因にはいくつかあります。パッドの摩耗だけでなく、ブレーキダストの蓄積、パッドとローター間の摩擦面の状態、湿度や気温などの環境要因も関係しています。
特にパッドが残っていても異音が出る場合、パッドの材質やローターの表面に段差が生じていることが要因のひとつです。軽度であれば清掃や面取りで改善するケースもあります。
旋回時の「ブッ」という金属音の可能性
ハンドルを切った状態で「ブッ」や「ゴン」といった音が聞こえる場合、ステアリングやサスペンション周りのガタが考えられます。ロアアームやボールジョイントの劣化は定番トラブルであり、音の原因になりやすい箇所です。
実際、過去にロアアームの割れやブッシュの劣化が見られた車両では、旋回時や段差を乗り越えた際に異音が発生していた例が多く見られます。
段差での衝撃音は足回りの警告サイン?
段差を越えた時の「ガタン」「ガチャ」などの音は、ショックアブソーバーやマウント、スタビライザーリンクなどの緩みや劣化が疑われます。これらの部品はゴムブッシュで接続されていることが多く、走行距離とともに硬化・破損しやすくなります。
「異音がたまにしか鳴らないから問題ない」と放置していると、走行中の制動性能や操舵性に支障が出る恐れもあります。
異音の頻度が増してきたときの対応策
異音が数時間〜数日ごとに発生し、徐々に頻度が上がってきている場合は、「劣化部品の進行的なダメージ」が疑われます。現時点で走行に支障がなくても、整備工場で下回りの点検を受け、ブレーキ周辺やサスペンションの状態を確認することをおすすめします。
一例として、異音が出ていたエブリイでロアアームとスタビライザーリンクの交換を行った結果、異音が完全に消失した事例もあります。
DIYでできるチェックポイント
- ブレーキパッドの残量と均等な摩耗かどうか
- ローターの段差やサビの有無
- ロアアームやボールジョイントのガタ(目視と手動揺すり)
- ショックアブソーバー周辺のオイル滲み
- タイヤをジャッキアップして回転時に異音が出るか
ただしDIY点検には限界があり、安全を確保するためにはプロによる診断が不可欠です。
まとめ:エブリイの異音は放置せず早期点検を
スズキエブリイで発生するブレーキや旋回時の異音は、単なる摩耗音だけではなく、足回り部品の劣化や破損が関係していることが多くあります。配送業などで酷使される車両では定期的な点検が重要です。
異音が一時的なものであっても「そのうち消えるだろう」と軽視せず、早めに整備士の診断を受けることで、大きな修理費用や事故のリスクを未然に防ぐことができます。
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