新型60プリウスのフロントグリルは本当に脆い？耐久性と設計の意図を徹底検証

トヨタの新型プリウス（60系）は、その斬新なデザインと先進的な機能で注目を集めていますが、中でも話題になっているのが「ナマズ口」とも呼ばれる独特のフロントグリルの形状と柔らかさです。この記事では、その素材や設計の背景、安全性への配慮、ユーザーの声まで詳しく解説していきます。

ナマズ口のようなフロントグリル、その正体とは

新型60プリウスのフロントグリルは、従来の金属的な剛性を強調するデザインとは異なり、見た目にも柔らかさを感じさせる構造です。実際、手で押してみるとややたわむ感触があり、「壊れやすいのでは？」という声も挙がっています。

これはエアロダイナミクスと衝突時の安全性を両立させるために、あえて柔軟性のある樹脂素材を使用していることが理由の一つです。見た目の質感とは裏腹に、耐衝撃性の高い素材を採用しており、簡単には破損しないよう設計されています。

一見デメリットに感じられる「柔らかさ」ですが、実は歩行者保護の観点から意図された設計です。万一の接触時に被害を軽減できるよう、衝撃吸収性の高いバンパー素材を使用しており、ヨーロッパの衝突安全基準にも対応しています。

また、近年のトヨタ車には、衝突被害軽減ブレーキ（PCS）や歩行者検知機能なども装備されており、物理的な耐久性と電子的な予防安全の両面でカバーする設計がなされています。

実際のユーザーからも「最初は驚いたが、素材の説明を聞いて納得した」「洗車時などに軽く押しても元に戻るので安心」といった声が寄せられています。ただし、飛び石や鋭利な物体による傷・ひび割れについては、従来のメッシュ式グリル同様、注意が必要という指摘もあります。

また、DIYでグリルプロテクターやスキッドプレートを装着しているオーナーもおり、個人で補強やカスタマイズする選択肢もあります。

万が一破損した場合、バンパーの素材が樹脂系であれば部分補修が可能なケースも多く、金属バンパーに比べて修理費用が抑えられる可能性があります。ディーラーでの純正部品交換や、板金業者での再塗装といった対応が一般的です。

保険に関しても、車両保険に加入していれば飛来物による破損は補償対象になることがあります。契約内容を確認しておくと安心です。

新型プリウスのフロントグリルは「柔らかくて壊れやすそう」という印象を与えがちですが、それは歩行者保護や燃費効率、安全性能を重視した設計思想の結果です。過剰に心配する必要はなく、むしろ合理的に考え抜かれた最新デザインの一つと言えるでしょう。

耐久性に不安を感じる場合は、アフターパーツでの補強やコーティングなども検討しつつ、正しい知識を持って愛車と向き合っていくことが大切です。