アウディのクワトロは“曲がる4WD”なのか?そのメカニズムと走行性能を解説

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アウディの代名詞ともいえる「クワトロ(quattro)」は、単なる4WDとは異なる独自のメカニズムを持つシステムとして高く評価されています。本記事では、クワトロが「曲がる4WD」と呼ばれる理由や、他の4WDシステムとの違いについて詳しく解説します。

クワトロとは?アウディ独自のフルタイム4WDシステム

「クワトロ」とは、アウディが採用するフルタイム4WDシステムの総称で、登場以来、WRC(世界ラリー選手権)などで実績を築き、雪道や悪路だけでなくスポーツ走行でも高い評価を受けています。

クワトロは、従来の4WDのように「滑ったら前後に動力を配分する」といった受け身的な制御ではなく、走行状況に応じて前後トルクを積極的に配分し、旋回性能や安定性を高める機構が特徴です。

“曲がる4WD”と呼ばれる理由とは?

一般的な4WDは、直進安定性には優れるものの、旋回時にはアンダーステア(外に膨らむ)傾向が強くなるため、コーナリング性能に制限が出ることがあります。

一方、クワトロはトルクベクタリング機能などを併用することで、コーナリング中に外側のタイヤにより多くのトルクを与え、車体を内側に向けて“曲げる”力を生み出します。この特性が「曲がる4WD」と呼ばれるゆえんです。

クワトロの代表的な制御方式

  • センターデフ方式(クラシック・クワトロ)
    前後トルクを機械的に配分。スポーティな走行性能に優れる。
  • ハルデックスカップリング(主にFFベース)
    通常は前輪駆動で、必要に応じて後輪にトルクを配分。燃費とのバランスを重視。
  • 電動クワトロ(EVモデル)
    前後のモーターが独立して駆動制御される。最新技術によって精密なトルク配分が可能。

クワトロの走行性能を実感できるシーン

たとえば、雪道や雨の高速道路などでは、通常のFFやFRと比較して圧倒的に安定した挙動を示します。また、ワインディングロードでもスムーズにラインをトレースでき、スポーツドライビングを楽しみたいユーザーからも支持されています。

実際にアウディA4やS4などに試乗すると、FRベースの4WDにはない“フロントが引っ張る感覚”と“リアが押し出す力”が組み合わさった独特のフィーリングを体験できます。

他社の4WDとの比較

スバルの「シンメトリカルAWD」や三菱の「S-AWC」なども高性能4WDとして知られていますが、それぞれに制御思想や目的が異なります。スバルは全車AWDによる安定性重視、三菱はスポーツ走行に特化した制御といった違いがあります。

アウディのクワトロは、日常の走行性能とスポーツ性能の両立を目指したバランス型4WDといえるでしょう。

まとめ

アウディのクワトロは、単なる4WDではなく、積極的なトルク配分により高い旋回性能と安定性を実現した「曲がる4WD」と呼ぶにふさわしいシステムです。雪道や高速道路、ワインディングまであらゆるシーンでその真価を発揮します。4WD=直進安定性というイメージを覆すような、アクティブな走りを求める方にこそ、クワトロはおすすめの技術です。

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