マニュアル車を運転する際、減速時にダブルクラッチを使う場面があります。中でも「シフトの合間にアクセルをあおる」のは正しい操作なのか疑問に思う方も多いでしょう。本記事では、減速時のダブルクラッチとアクセル操作の関係について詳しく解説します。
ダブルクラッチとは?基本の理解
ダブルクラッチとは、MT車でギアをシフトダウンする際に、一度クラッチを離して中立でエンジン回転数を合わせることで、次のギアにスムーズにつなげる操作です。
特にシンクロ機構が弱い車両や旧車では有効です。
操作の流れは次の通りです。
①クラッチを切ってニュートラルにする
②クラッチをつないで空ぶかし(回転数調整)
③クラッチを切ってシフトダウン
④クラッチをつなぐ
この「②の空ぶかし」がまさに“Wクラッチの間にアクセルを吹かす”行為です。
減速時にアクセルを吹かす理由
減速時にアクセルを吹かす理由は、エンジン回転数と次のギア比を適正に合わせるためです。
これにより以下の効果が得られます。
- ショックの少ないシフトダウン
- クラッチの摩耗を軽減
- スムーズなエンジンブレーキ活用
特にスポーツ走行や旧車、トラックのようなシンクロの無いMTでは欠かせないテクニックです。
現代の車に必要か?
現在の乗用車はトランスミッションにシンクロメッシュ機構が搭載されており、基本的には回転数の差を吸収してくれます。そのため、必須ではありませんが、正しい回転数合わせをすればより快適かつクラッチに優しい運転になります。
特にスポーツ志向のMT車(例:S2000、ロードスター、インプレッサなど)では、ドライビングテクニックの一つとして定着しています。
やりすぎ・誤解に注意!
アクセルの空ぶかしは適量が重要です。吹かしすぎは燃費の悪化やエンジン・駆動系への負担を招くことも。
また、単純に回転数が合っていない状態での空ぶかしは意味がなく、逆にクラッチを痛める原因となります。
実際にどんな場面で使う?
例えば峠道の下りで2速→1速に落とす際、エンジンブレーキを効かせながらもギクシャクせず減速できるようになります。
また、サーキットなどスポーツ走行時には
ヒール&トゥと併用してコーナリング時の安定性を高めるテクニックとしても使われます。
まとめ:Wクラッチ時の空ぶかしは「あり」か?
結論として、「あり」です。
ダブルクラッチの本来の目的である「回転数を合わせる」ためには、アクセルを吹かすことが理にかなっています。ただし、操作の正確さと適度な回転数調整が大前提です。
シンクロ機構が整った現代の車では必須ではないものの、クラッチの寿命延長や運転の質を高めるうえで、今なお有効なテクニックと言えるでしょう。
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