運転免許の教習も二段階に入ると、細かな操作やタイミングのルールに戸惑う方も多いのではないでしょうか。とくに「左折前の左寄せ」と「方向指示器(ウィンカー)の合図を出すタイミング」については、教官によって説明に差があったり、道路状況によって判断が分かれたりするため混乱しがちです。今回はそのポイントを、例を挙げながら丁寧に解説します。
左折前の左寄せと方向指示器の基本ルール
道路交通法では、左折する際はおおむね30メートル手前から方向指示器による合図を出すことが義務づけられています(道路交通法施行令第21条)。また、進路変更(=左寄せ)をする際も、変更する3秒前には合図を出す必要があります。
つまり、「左折のために進路を左に寄せる」という操作にも、進路変更の一種として合図が必要という考え方が原則です。ただしこの合図と、左折本番の合図とはタイミングが異なるため、混同に注意しましょう。
左寄せと左折の合図が重なるケースの考え方
たとえば、左折予定の交差点の30メートル手前よりも前に左寄せを完了したいとします。その際は、まず左寄せの3秒前に合図を出して寄せ、左寄せが完了した後、左折する30メートル手前でもう一度左折の合図を出します。
進路変更(左寄せ)の合図と左折の合図は別のものであるため、それぞれ必要な場面で分けて行う必要があります。
途中に交差点や脇道がある場合の注意点
左寄せの途中や合図中に別の交差点や道があると、「この道に入るのか?」と誤解される恐れがあります。そのため、紛らわしい場合は、左寄せの合図を出さずに寄せるという指導をする教官もいます。実際の試験や教習では、道路状況に応じて判断が分かれる場面です。
教習中であれば教官の指示に従うのが最優先ですが、試験では「左寄せの前にも進路変更として合図を出す」が基本でありつつ、誤解を招く場面では合図を控えるという柔軟な判断が求められます。
実例:左寄せと合図が混乱しやすいシチュエーション
例:左折したい交差点まで40メートル、その途中に小さな脇道が1本あります。左寄せは左折の30メートルより前に済ませたい。→この場合、左寄せのための合図を脇道の直前で出すと、脇道に入る合図と誤認される可能性があるため、脇道通過後すぐに左寄せするのが無難です。
または、どうしても早く寄せたい場合は、合図なしで寄せることも現実的な選択肢になります(安全確認は必須)。
合図のタイミングを正しくするためのポイント
- 左折の30メートル手前:左折のための合図
- 左寄せをする場合:寄せ始める3秒前に合図
- 途中に交差点がある場合:誤解を招く合図は避ける
つまり、道路状況に応じた柔軟な判断が求められるものの、基本原則としてはそれぞれの目的(進路変更と左折)に対して合図が必要と覚えておくとよいでしょう。
まとめ:迷ったら原則と安全を優先
左寄せと左折の合図のタイミングは、それぞれの動作に対して別々に行うのが原則です。ただし、交差点や脇道によって誤解が生じる可能性がある場合は、状況に応じて合図を控える判断も必要です。
教習中は疑問をそのままにせず、必ず教官に確認しましょう。実際の道路では、「合図の正確さ」以上に「安全性」が優先されることも多いということを覚えておいてください。
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