軽自動車にテレスコピック機能が搭載されにくい理由とは?装備の背景と今後の展望

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近年、コンパクトカーやSUVを中心に、ステアリングホイールの位置を前後に調整できる「テレスコピック機能」が搭載される車種が増えています。しかし、軽自動車には依然としてこの機能が搭載されていないモデルが多く、その理由に疑問を抱く人も少なくありません。今回は、軽自動車にテレスコピックが少ない理由について掘り下げて解説します。

テレスコピック機能とは何か?

テレスコピック機能とは、ステアリングホイールの前後位置を調整できる機構のことを指します。運転者の体格や姿勢に合わせてハンドルの距離を調整することで、疲れにくく、安全性の高い運転姿勢を実現することができます。

これに加えて上下方向の調整ができる「チルトステアリング」もあり、多くの普通車ではチルトとテレスコピックの両方を備えるようになってきています。

軽自動車にテレスコピックが少ない理由

軽自動車にテレスコピック機能があまり搭載されない背景には、いくつかの現実的な制約があります。主な理由として以下の3つが挙げられます。

  • コストの問題:テレスコピック機構は部品点数や調整機構が複雑になるため、製造コストが上がります。軽自動車は価格競争が激しいため、コスト増となる機能は削られる傾向にあります。
  • スペースの制約:軽自動車は全長・全幅・排気量が法律で厳しく制限されており、車内空間を最大限に活かすために設計が最適化されています。ステアリング機構に余分なスペースを割くのは難しいことが多いです。
  • 需要の少なさ:軽自動車の主なユーザー層は、通勤や買い物などの近距離移動が多く、長距離運転や運転姿勢に厳密なこだわりを持つ人が比較的少ない傾向があります。そのため、メーカー側も需要の低さから搭載を見送るケースがあります。

一部の軽自動車には搭載されている例も

完全にゼロというわけではなく、近年では一部の高価格帯の軽自動車や、装備が充実した上位グレードに限ってテレスコピック機能を搭載しているケースも出てきました。例えば、ホンダのN-BOXカスタムの一部グレードでは、テレスコピックとチルト両方を備えている例があります。

また、スズキやダイハツなどのメーカーも、快適性を重視した軽自動車への搭載を徐々に検討し始めている兆しがあります。

チルトステアリングとの違いと併用のメリット

チルトステアリングはハンドルの上下調整のみを可能にする機能ですが、テレスコピック機能があれば前後の調整も可能になります。両方が揃っていることで、自分の体格や好みによりフィットしたドライビングポジションを確保できます。

特に背が高いドライバーや、座高が高く足の長さが短い方などは、テレスコピック機能があると格段に運転姿勢が快適になることがあります。

今後の軽自動車への搭載の可能性

近年の軽自動車は安全装備や快適装備の面でも急速に進化しています。運転支援システムや衝突軽減ブレーキなどが標準化される流れの中で、テレスコピック機能も今後は普及が進む可能性があります。

実際に、今後のモデルチェンジで車体設計に余裕が生まれた場合や、価格帯が上昇することで、高機能装備として搭載が増えることが期待されています。

まとめ:軽自動車にテレスコピックが少ないのはコストとスペースが主な理由

軽自動車にテレスコピック機能が搭載されにくいのは、主にコスト面とスペース面の問題、そしてユーザー層の需要とのバランスが影響しています。ただし、一部モデルでは搭載が進みつつあり、今後の技術革新によって一般化していく可能性もあります。自分に合った車選びをする際には、チルトやテレスコピックの有無にもぜひ注目してみましょう。

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