トヨタの220系クラウンは、高級セダンとしての完成度とカスタム需要の高さから、さまざまなグレードで注目されています。なかでもAZSH20(2.5Lハイブリッド)とARS220(2.0Lターボ)の違いは、外観や内装にとどまらず、排気系統にも見られます。この記事では、特にマフラー形状の違いに焦点を当て、カスタムやパーツ交換を検討している方にとって有益な情報を解説します。
AZSH20とARS220の基本スペックと排気システムの違い
まず、両車種のエンジン構成が異なることが前提です。AZSH20は2.5Lのハイブリッドエンジン(A25A-FXS)を搭載し、エンジンとモーターの組み合わせで効率的な走行を実現しています。一方、ARS220は2.0L直噴ターボ(8AR-FTS)を搭載し、ターボならではの加速性能が特徴です。
この違いにより、排気ガスの流量や温度、マフラーに求められる耐久性・排気音制御の仕様も異なり、マフラー形状やパイプ径、サイレンサー構造に影響を与えています。
外見上のマフラー出口は共通でも中身は別物
外観から見たリアビューでは、AZSH20もARS220も同様のデュアルエキゾースト風のデザインが採用されており、一見同じように見えることがあります。しかし、リアバンパーに設置されたマフラーカッターは共通でも、実際のマフラーレイアウトは異なるケースが多いです。
具体的には、AZSH20ではハイブリッドの排気量制御に合わせたサイレンサー設計がされており、ARS220ではターボ車特有の背圧や排気効率を重視した構造が取られています。
社外マフラーの流用や交換には注意が必要
マフラーを交換したいと考えるユーザーにとって、グレード違いでの流用可否は気になるところですが、AZSH20用とARS220用での互換性は基本的にないと考えておくのが安全です。
なぜなら、フロア下のパイプレイアウトや接合位置、ハンガー位置が微妙に異なるため、無加工では取り付けが困難なケースが多いからです。また、ハイブリッド車ではバッテリーの位置や遮熱板などの構造上の配慮も必要となるため、加工によるリスクも伴います。
実際の装着例とユーザーの体験談
一部のカスタムユーザーからは「ARS220の社外マフラーをAZSH20に流用できた」といった声も見られますが、これは加工・調整を前提とした例がほとんどであり、ボルトオン装着を期待しての流用は非推奨です。
実際にSNSや車系掲示板でも「マフラーの接続部が数センチ合わない」「触媒後の径が違う」といったトラブルが報告されており、専門業者による確認・加工が必須となる場面が多いようです。
まとめ|AZSH20とARS220のマフラーは似て非なるもの
220系クラウンのAZSH20とARS220では、マフラーの外見が似ているものの、構造・仕様は異なるため、互換性は基本的にありません。カスタムや交換を検討する際には、グレード専用のマフラーを選ぶことを強くおすすめします。
無理な流用による排気漏れや性能劣化、車検不適合などを避けるためにも、パーツ選びには慎重な判断と専門家への相談が重要です。
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