バイクのキャブレターセッティングは、燃調の調整によって走行性能が大きく変化する奥深い領域です。R&P(ホンダR&P)も例外ではなく、特にメインジェットとスロージェットの選定は重要な作業のひとつです。本記事では、R&Pに最適なジェット選びの基礎から、セッティング方法、注意点まで詳しく解説します。
ホンダR&Pのキャブレター基本情報
R&P(正式にはホンダCY50)は1970年代に発売されたレトロな原付バイクで、ノーマルではPB型やPC型のキャブレターが採用されていることが多いです。純正セッティングでは、メインジェットが#75〜#80、スロージェットが#35前後が多く見られます。
ただし、現在では個体差や前オーナーのカスタム状況によってキャブ自体が交換されていることもあるため、現物の確認が大前提です。
メインジェットの役割と選び方
メインジェットはスロットルを中開度〜全開にした際の燃料供給量を決定するパーツで、排気量アップや吸気系・排気系の変更に応じて適切なサイズを選定します。
目安の選び方:
- ノーマルエンジン+純正マフラー:#75〜#80
- 社外マフラー装着時:#80〜#90
- ボアアップ(例:70cc):#90〜#100以上(要確認)
メインジェットはセット売りされていることが多く、微調整が必要なため3〜5番刻みで揃えておくのが理想です。
スロージェットの役割と選定基準
スロージェット(パイロットジェット)は、スロットルが閉じている〜微開時の燃料供給を担います。アイドリングや低速域のスムーズさに直結するため、丁寧に選ぶことが求められます。
目安の選び方:
- ノーマルエンジン:#35
- 吸気系・排気系を変更:#38〜#42(試行調整)
特にチョークを使ってもエンジン始動が悪い場合や、アクセル開け始めで「ボコつく」などの症状が出た場合は、スロージェットの番手調整を検討しましょう。
セッティングのコツと注意点
セッティングは一発で決まることは稀です。特にR&Pのような旧車では個体差が大きく、以下のような手順が有効です。
- まずメインジェットを交換(高め→徐々に下げる)
- プラグの焼け具合を確認(キツネ色が理想)
- その後スロージェットの番手を調整
- エアスクリューやアイドルスクリューで微調整
また、セッティング後は実走行でのチェックが必須です。調整ごとにしっかりとエンジンを暖機し、各回転域での挙動を確認してください。
おすすめのジェットセットと購入先
R&P向けのメインジェット・スロージェットは、以下のようなブランドが安心して使えます。
- KEIHIN(ケイヒン)純正
- DAYTONA(デイトナ)やKITACO(キタコ)の互換セット
特に「PC20」「PB16」など、装着しているキャブの型式を確認したうえで、対応ジェットセットを購入してください。楽天市場やAmazon、ウェビック、モノタロウなどで入手可能です。
まとめ:R&Pのセッティングを楽しもう
ホンダR&Pのキャブセッティングは、乗り味を大きく変える面白いカスタムのひとつです。メインジェットとスロージェットは、エンジンやマフラーの状態に合わせて適切な番手を選ぶことで、最適なパフォーマンスが得られます。
調整には少し手間がかかりますが、自分でセッティングが決まったときの満足感は格別です。焦らず一つずつ試しながら、理想の走りを追求してみてください。
コメント