アーシングは、かつて一世を風靡したカーDIYのひとつですが、現在では話題に上ることが少なくなりました。しかし、古い車に乗るユーザーの間では「ほんの少しでも性能改善が期待できるならやってみたい」といった関心が根強く残っています。この記事では、アーシングの基礎から、現代の車両における有効性、さらには過去のブームの理由についても詳しく解説します。
アーシングとは何か?仕組みと目的をおさらい
アーシングとは、車の電気系統におけるアース(接地)を強化するために、エンジンやボディ各所に専用のアースケーブルを追加で接続するカスタムのことです。
エンジンや電装部品の金属部分とバッテリーのマイナス端子を太いケーブルでつなぎ、電気の流れを安定させることにより、点火性能の向上、ライトの明るさの安定、アイドリングの安定化などが期待されるとされています。
古い軽自動車にアーシングが効果的とされる理由
2008年式・走行距離9万kmという条件の軽自動車の場合、純正のアースポイントに腐食や接触不良が起きている可能性があります。これが電気の流れを悪くし、電装系のパフォーマンスを微妙に落とす原因にもなります。
アーシングを行うことで、そうした劣化の影響を補い、点火タイミングの安定やアクセルレスポンスの向上を感じるユーザーもいます。とくにMT車でアクセルの微調整を多用するドライバーには、体感しやすいと言われています。
実際の効果はどれくらい?プラシーボか本物か
アーシングの効果には個体差があります。多くのユーザーは「多少スムーズになった気がする」と感じる一方で、科学的なデータで大きな差を証明するのは難しいのが現実です。
とはいえ、1000円程度でDIYできる手軽さを考えれば、コスパの良いチューニングの一つとも言えます。オカルト的要素もありますが、実際に体感差を覚える方も少なくありません。
なぜ90年代にアーシングが流行したのか?
アーシングが流行したのは主に1990年代から2000年代初頭。これは、電子制御化が進んだ車が増えてきた時代であり、電装トラブルやアイドリング不調に悩むユーザーが多かったためです。
また、当時は見た目のカスタムも重要視されており、エンジンルーム内に美しい配線を追加すること自体が「ドレスアップ」として受け入れられていました。鮮やかな青や赤のアーシングケーブルが流行し、カー用品店でも多く取り扱われていました。
アーシングのやり方と注意点
アーシングを行う際は、バッテリーのマイナス端子から、エンジンブロック、オルタネーター、ボディーアースなどに接続します。太めの銅線ケーブル(8~10ゲージ程度)と、端子・ボルトが必要です。
注意点として、接続先のボルトの締めが甘いと逆にトラブルの原因になります。また、通電性能を高めるために接続部をサンドペーパーで磨くなどのひと手間も重要です。
まとめ|「気になるならやってみる価値あり」がアーシングの魅力
アーシングは、現代の高性能車両では大きな違いが出にくいものの、10年以上前の車、特に軽自動車や走行距離が多い車では、わずかでも体感できる変化がある可能性があります。
1000円前後で楽しめるライトなチューニングとして、「効果があればラッキー」くらいの気持ちでDIYするのにちょうど良い選択肢です。気になるなら、まずは簡単な1~2本だけでも試してみるとよいでしょう。
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