カスタム好きなドライバーにとって、キャンバープレート(キャンバー角調整用のスペーサー)は車両の見た目や走行性能に影響する重要なパーツの一つです。しかし、車検の際に「これって通るの?」と疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、キャンバープレートの合法性や、車検を通すために押さえておくべきポイントについてわかりやすく解説します。
キャンバープレートとは?
キャンバープレートとは、車のサスペンションとホイールハブの間に挟み込むことで、タイヤのキャンバー角(垂直方向からの傾き)を調整するためのパーツです。見た目をスタイリッシュに仕上げたり、ハンドリング性能をチューニングする目的で使われます。
特にドリフトやスタンス系カスタムでは、ネガティブキャンバー(上部が内側に傾く形)を作るために多用されます。しかし、見た目のインパクトに反して、構造変更や車検への影響を十分に理解しておかないと、思わぬトラブルにつながります。
キャンバープレートの使用は車検に通るのか?
結論から言うと、キャンバープレートの使用自体は違法ではありませんが、使用した状態が保安基準に適合しているかどうかが車検通過の可否を分けます。
以下のようなポイントがチェックされます。
- タイヤの接地面積が確保されているか
- 車体からタイヤ・ホイールがはみ出していないか
- 車高が最低地上高(90mm)を確保しているか
- トレッド変更量が規定内(片側+10mm以内、全体で20mm以内)
- ボルトオン装着によって安全性が確保されているか
純正タイヤに戻して車検を通すのは有効?
質問にあるように、車検時に純正タイヤを装着して臨む方法は実際に多くのユーザーが採用しています。これは、元の構造が保安基準に適合する状態であるならば、構造変更届を出さずに車検を通すための現実的な手段です。
ただし、サスペンション構造自体が大きく変更されている場合や、明らかに「調整の範囲」を超える状態であると判断された場合は、検査員の裁量で指摘されることもあります。
公認改造が必要なケースとは
キャンバープレートやアーム変更などで、トレッド幅の変更が大きい場合(片側10mm以上)や、構造が恒久的に変わる場合は、構造変更申請(いわゆる公認改造)が必要です。
例えば、ロワアームやナックルなどの変更によってキャンバー角が固定された場合、公認を取得しない限り、そのままでは車検に通りません。保安基準適合書類の提出や、ディーラーでの確認が求められる場合もあります。
具体例:実際にあった車検の通過・不通過ケース
通過例:軽自動車にキャンバープレートを装着し、純正ホイール・タイヤを装着して最低地上高も確保。ホイールはフェンダー内に収まり、トー角も正常だったためスムーズに合格。
不通過例:同じく軽自動車にキャンバープレートを使用していたが、調整を行わずネガティブキャンバー角が極端。タイヤの内減りがひどく、フェンダーからも数mmはみ出ていたため不適合となり、再検査が必要に。
まとめ:キャンバープレートは使い方次第で車検に通る
キャンバープレートそのものが車検に不合格となる原因ではなく、取り付け後の状態が保安基準に適合しているかどうかが重要なポイントです。タイヤやホイールを純正に戻すのは一つの有効な手段ですが、車検前に事前点検をしておくことをおすすめします。
合法的にカスタムを楽しむためには、正しい知識と準備が必要です。公認取得やプロのアドバイスも活用し、安全と個性を両立させましょう。
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