なぜバイク乗りはダムを目指すのか？その魅力とツーリング文化を徹底解説

バイク乗りがこぞってダムを訪れる――一見不思議に思えるこの現象には、ツーリング文化ならではの理由がいくつも隠されています。この記事では、バイク乗りがなぜダムに惹かれるのか、その背景や楽しみ方を紹介します。

ツーリングに最適なロケーションだから

ダムは基本的に山間部や自然豊かな場所に位置しており、アクセスするためにはワインディング（カーブが続く山道）を走る必要があります。これはバイク乗りにとって格好の走行シチュエーションです。

スムーズな舗装路、適度なアップダウン、そして美しい風景。これらが揃っている場所は限られており、ダム周辺はその代表格といえます。

ただ街を走るだけでは得られない“達成感”を、ダムという具体的な目的地は与えてくれます。地図で見て、走って、到着して、写真を撮る。この一連の流れがツーリングをより充実させてくれるのです。

多くのダムには展望台や資料館、売店なども整備されており、観光地としても楽しめる点も魅力です。

近年では「ダムカード」と呼ばれる配布型のコレクターアイテムが存在し、バイク乗りの間でも大人気です。各地のダムを訪問することでカードをもらえるという仕組みは、ポケモンのジム巡りにも似た感覚で、つい次のダムへと走りたくなってしまいます。

たとえば関東周辺だけでも50を超えるダムがあり、ダムカードを集めながらのツーリングは一つの旅の形として定着しています。

ダム湖周辺は人通りが少なく、静かで落ち着いた雰囲気が流れています。自然の音に耳を傾けながら、愛車と向き合ったり、景色を眺めたりする時間はバイク乗りにとって大切な「癒しのひととき」でもあります。

都会の喧騒を離れ、ただ風を感じ、ダムの上で深呼吸をする――それだけで心が整うという人も少なくありません。

ダムは集合や解散ポイントとしても優れており、広い駐車場や休憩所があるため、グループツーリングにも便利です。

また、大きなコンクリート構造物や放水の迫力などは、SNS映えする撮影スポットとしても人気。愛車とのツーショットは、多くのバイク乗りが記録に残したくなる一枚となります。

バイク乗りがダムを訪れるのは偶然ではなく、走行ルートの魅力、静かな空間、達成感、趣味性、交流の場など、さまざまな価値が詰まっているからです。

次のツーリングでは、ぜひ近くのダムを目的地にしてみてください。きっと、新しいバイクの楽しみ方が見つかるはずです。