米国と日本の間で交渉された自動車関税が『15%で確定』と聞いて、本当にそれが従来より低くなったのか、あるいは依然として打撃があるのか気になっている方向けに、最新の関税制度の仕組みを整理して解説します。
対米自動車関税の構造理解
まず、長年にわたり日米間では日本製乗用車には約2.5%、ライトトラックなどには25%の関税が課されてきました。
しかし2025年4月には、トランプ政権が「国別に25%の自動車関税を課す」とし、多くの国が対象となりました。
2025年7月の新協定でどう変わったのか
2025年7月22‑23日に日米間で合意された新たな貿易協定では、日本製自動車の対米輸出に対し、以前の25%から15%に引き下げられました。
これは、27.5%と報じられた実効関税(従来のベース関税+新たな25%)が15%に再設定された形です:contentReference[oaicite:0]{index=0}。
乗用車+12.5%論は正しいか?
「乗用車に本来2.5%、そこへ12.5%加算されて15%」という計算は、ある意味正しく、旧来の2.5%に追加された高関税との合算結果とも解釈できます。
ただし「追加だけで12.5%」ではなく、実際には掛け合わせた結果が15%となり、従来よりは高くなったものの、暴騰ではないという理解が適切です。
輸入業界やトヨタ株への影響
日本の自動車メーカーは輸出コスト削減が期待できる反面、米系自動車メーカーや労働組合は「不公平だ」と反発しています:contentReference[oaicite:1]{index=1}。
トヨタなど日本の株価は日経平均を押し上げるほど反応がありましたが、アメリカ製品との比較環境へシフトする企業戦略への影響が懸念されています。
実際に『大打撃』になるのか?
乗用車に15%関税がかかることで輸入コストは上昇し、最終的には販売価格にも影響します。
ただし、もともと2.5%程度だった基礎関税との差額であり、急激で破壊的な価格上昇とは異なるため、業界全体が致命的なダメージを受けるほどではありません。
他国との比較・今後の動向
このタイプの関税引き下げ協定は、EUや韓国、インドネシアなど他国とも同様の交渉が進んでおり、15%という水準を見据えた先例となりつつあります:contentReference[oaicite:2]{index=2}。
ただし、米国の鋼鉄やアルミニウムには依然50%の高関税が維持されており、自動車以外の分野には影響が残っている点も留意が必要です。
まとめ
・これまで乗用車には2.5%の関税→2025年春に25%へ引き上げの脅威→新協定で15%へ修正された。
・「+12.5%」というのは基礎2.5%との差分としての見方で、本質的には25%からの引き下げ。
・確かに輸出にはコスト増だが、急激な市場崩壊を招くほどではなく、業界再編など構造対応が引き続き求められます。
コメント