コマツのタイヤショベルなど建設機械に搭載されている「ライドコントロール機能」は、作業効率と快適性を高める便利な機能ですが、用途によってはOFFにした方が良い場面もあります。この記事では、整地や除雪作業時にライドコントロールをOFFにする理由を中心に、初心者にも分かりやすく解説します。
ライドコントロールとは?
ライドコントロール(Ride Control)は、バケットやアームが路面の凹凸に応じて柔軟に動くよう油圧を制御するシステムです。車両が走行中にバケットが跳ねないようにし、走行の安定性を保つのが目的です。
特に走行時の振動を抑えることで、オペレーターの疲労軽減、資材の飛散防止、そして車両や路面へのダメージ低減といった効果があります。
なぜ整地や除雪時はOFFにすべきなのか
整地や除雪など、バケットを使って「地面をきれいに押し均す」作業では、ライドコントロールをOFFにするのが基本です。理由は、ライドコントロールがONのままだと、油圧の緩衝でバケットが上下に動き、地面にしっかり押し当てることができなくなるためです。
バケットが跳ねてしまうと、きれいな仕上がりにならず、除雪の場合には雪が取り残されたり、整地では地面が均されなかったりする原因になります。
ライドコントロールONが効果的な作業
一方で、資材運搬や現場間の移動など走行がメインの作業では、ライドコントロールをONにしておくことで真価を発揮します。具体的には以下のようなシーンです。
- ダンプや土場への長距離移動時
- バケットに砕石や土砂を積んでの走行
- 段差や舗装路を高速移動する場面
ONにすることで車体の揺れが減り、バケット内の資材が飛び出すのを防げます。
実際の切り替えタイミングと注意点
現場では、以下のようなタイミングでON/OFFを切り替えることが多いです。
- 整地や除雪作業:作業開始前にOFFにする
- 走行・運搬:作業終了後や現場間移動前にONに戻す
コマツ機では通常、ライドコントロールのON/OFFはパネルやスイッチで簡単に切り替えられます。ただし機種によっては自動制御タイプもあるため、マニュアル確認は重要です。
初心者向け:覚えておきたいポイント
「地面を押す作業=OFF」、「運ぶ・走る=ON」という基本を覚えておくと、作業がスムーズになります。
また、最初はON/OFFの違いが分かりにくいかもしれませんが、少しずつ感覚を掴めば誰でも自然に使いこなせるようになります。実際に作業中に切り替えて挙動を比べてみると理解が深まります。
まとめ
ライドコントロール機能は、作業内容に応じた使い分けが重要です。整地や除雪では、バケットの安定性を保つためにOFFにして使うのが基本。走行や資材運搬時にはONにして振動を抑えると効果的です。用途に応じた正しい操作で、効率的で安全な作業を心がけましょう。
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