車のカタログや諸元表を見ていると、「車両重量」と「車両総重量」という2つの項目があります。これらは似たような言葉に見えて、実は明確に意味が異なります。特に車両総重量が大きくなる理由は、車そのもの以外の“重さ”が加わるためです。本記事では、その違いと意味について、わかりやすく解説します。
車両重量とは?
車両重量は、運転に必要な最低限の装備を含んだ車の重さを示します。具体的には以下のような要素が含まれます。
- 車体そのもの
- エンジン・トランスミッションなどの機構部
- バッテリー
- 燃料満タン
- 潤滑油・冷却水など
- スペアタイヤや標準工具
ただし、人や荷物の重さは含まれません。あくまで“空の車”に近い状態がこの「車両重量」です。
車両総重量とは?
車両総重量は、車両重量に加えて「乗員」と「最大積載物」を含めた合計重量のことです。道路交通法ではこの値をもとに「普通自動車」「中型車」などの分類が行われます。
構成要素は次の通り。
- 車両重量(前述)
- 乗車定員分の平均体重(通常1人あたり55kgで計算)
- 最大積載量(商用車やトラックで特に重要)
たとえば5人乗りの乗用車であれば、
車両総重量 ≒ 車両重量 +(55kg×5人)になります。
なぜ両者に差が出るのか?
この差は、「使用条件を想定した実際の運用状態かどうか」の違いです。つまり、車両重量は製造時点での基本重量、車両総重量は実使用時の最大値とも言えます。
たとえば車両重量が1,300kgの車で、定員5人乗りの場合。
1,300kg +(55kg × 5人)= 1,575kg
これが車両総重量の目安となります。
車両総重量はなぜ重要なのか?
車両総重量は、自動車の登録区分や運転免許、道路通行区分、車検などの基準に関わります。
- 普通免許の範囲:車両総重量3.5トン未満
- 中型免許が必要:車両総重量7.5トン未満
- 大型免許が必要:それ以上
また、ブレーキやサスペンションの設計、安全装備の適合範囲もこの重量に大きく関係してきます。
まとめ
車両重量は車そのものの重さ、車両総重量はそれに人と荷物の重さを足したものです。主要諸元表で両者に差があるのは当然であり、実際の使用状況を見越した設計値だからこそ、運転や車選びの際にはしっかり理解しておくべき項目です。
特に自動車免許や車検、積載限度に関わる実務でも重要な要素となるため、今後の参考にしてみてください。
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