DIYでエンジンオイル交換を行う方にとって、規定量の測定は意外と難しいポイントです。とくに「2.8L」などの中途半端な量は、1L単位のオイルジョッキでは正確に測りにくく、レベルゲージの微妙なオーバーが起きやすくなります。本記事では、レベルゲージで1mm程度のオーバーは問題ないのか、そしてどのように対処すべきかを具体的に解説します。
エンジンオイルの規定量とは?
車種ごとに設定されたエンジンオイルの規定量は、エンジンの保護と冷却性能を最大限に発揮させるためのバランスを考慮して決められています。通常は取扱説明書や整備書に記載されており、「フィルター交換あり/なし」で量が異なるケースもあるため注意が必要です。
たとえば、規定量が2.8Lである車両にぴったり入れるためには、0.1L単位で測れる計量カップや目盛り付きの透明容器を使うと正確です。
ゲージ1mmのオーバーは許容範囲?
エンジンオイルゲージには、最低(LOW)〜最大(FULL)の間に「安全圏」が設けられています。この範囲内であればオイル量は問題ないとされています。FULLをわずかに1mm程度超えている状態は、車種や設計によっては「許容範囲内」と判断されることが多いです。
ただし、高速走行やエンジンが高回転域になる車種では、オイルが過剰に吹き上げてブローバイガスの発生や触媒への悪影響が懸念されることもあります。
オイルを抜いたほうがいいケースとは?
以下に該当する場合は、少しでもオイルを抜く(抜き取り器やドレンから排出)ことを検討しましょう。
- レベルゲージで明らかにFULLから超えている
- エンジンの吹き返しやアイドリング不安定が見られる
- 高出力・高回転エンジン(ターボ車・スポーツモデルなど)
オイルの入れすぎが進むと、エンジン内で泡立ちや異常圧力が発生し、最悪エンジンダメージに繋がるおそれがあります。
DIYオイル交換で量を調整するコツ
DIYで正確な量を入れるには、以下の工夫がおすすめです。
- 0.1L単位で測れる計量器を使用
- 一気に全量入れず、2.5Lくらい入れてからゲージ確認
- エンジン始動後に5分ほど置いて再確認
また、傾斜のある場所ではオイル量が正確に測れないため、必ず平坦な場所で確認しましょう。
ゲージオーバー時の抜き取り方法
わずかに抜きたい場合は、注入口からオイルチェンジャー(手動ポンプ)を使って微調整するのが便利です。ドレンボルトから抜くと大量に出てしまうリスクがあるため、ピンポイントで抜くにはポンプ式が最適です。
自宅にオイルチェンジャーがない場合は、ガソリンスタンドやカー用品店に相談すると、少量抜き取りの対応をしてもらえるケースもあります。
まとめ:1mm程度なら慌てなくてOK、だが自己判断には注意
エンジンオイルのゲージが1mm程度オーバーしている程度なら、ほとんどの車で直ちに問題が起きることはありません。しかし、過走行やスポーツ走行が多い方、また車両が高性能エンジンを搭載している場合は、念のため調整しておくと安心です。
DIYでのメンテナンスは楽しみの一つですが、安全性とエンジン寿命を保つためにも、適切な量を意識して作業を行いましょう。
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