中古車サイトで車両の下回り写真をチェックしていると、黒く塗られた部分が目立つことがあります。これらは「シャーシブラック」と呼ばれる防錆塗料が使用されている可能性が高く、一見すると「ごまかしでは?」と不安になる人もいるかもしれません。この記事では、シャーシブラックの目的や意味、そして購入前に注意すべき点を詳しく解説します。
シャーシブラックとは何か?
シャーシブラックとは、自動車の下回りに塗布される黒色の防錆塗料のことです。正式には「アンダーコート」や「シャーシコート」とも呼ばれ、鉄製の部品やフレームを錆から守る目的で使用されます。
とくに雪国や海沿いなど、塩害や湿気の多い地域で走る車は錆びやすく、防錆対策としてディーラーや販売店が施工することもあります。
なぜ塗られている部分とそうでない部分があるのか?
中古車の下回り写真を見て「ムラがあって雑に見える」と感じた場合、それは施工時の塗り方にムラがあったか、部品の形状や材質によって塗布が避けられたためです。
たとえば樹脂製パーツや排気系のように高温になる箇所には、シャーシブラックは塗布されません。また、塗装時に部品が邪魔して「塗り残し」のように見えるケースもあります。
修復歴隠しに使われることもある?
一部の悪質な販売業者が、事故や損傷歴を隠すためにシャーシブラックを使用することはゼロではありません。特に溶接跡や防錆スプレーの厚塗りによってフレームや足回りの修復歴を目立たなくさせる例も存在します。
しかし、それはあくまで少数であり、ほとんどの場合は防錆対策が目的です。とはいえ、不安な場合はGooやカーセンサーなどで、修復歴の有無が記載されているか、第三者機関の鑑定があるかを確認しましょう。
施工された車の見分け方と購入時の注意点
車両下部に黒い塗装がされていて、明らかに新しければシャーシブラックが最近施工された可能性が高いです。指で触るとベタつきがある、独特のにおいがする場合もあります。
購入時には以下の点をチェックしましょう。
- 整備記録簿に「下回り防錆施工」の記載があるか
- 修復歴あり・なしの表示が正しいか
- 販売店に直接、防錆目的かどうか確認する
シャーシブラックがある車は買いか?
結論から言えば、防錆目的で丁寧に施工されたシャーシブラックはプラス材料になります。錆の進行を抑えてくれるため、長く乗るつもりならメリットがあります。
ただし、施工目的が不明で雑な仕上がり、あるいは部品交換や修復の痕跡があれば、慎重に判断すべきです。信頼できる販売店や鑑定付きの車両を選ぶのが賢明です。
まとめ:シャーシブラックの目的と見極め方を理解して安心の中古車選びを
シャーシブラックは決して怪しいものではなく、防錆や美観維持のために施工されるケースが多いです。ただし、不自然に厚塗りされていたり、塗装の範囲が不自然な場合は、修復歴の隠蔽の可能性もあるため、購入前に十分確認をしましょう。
中古車選びにおいては「見た目」だけでなく「背景」までチェックする姿勢が、失敗しないための第一歩です。
コメント