軽トラックは商用車としての用途がメインであるため、燃費や積載性能、取り回しの良さが重視されがちですが、意外にも「最高速度」や「馬力」に注目する人も少なくありません。特にハイゼット(ダイハツ)とキャリィ(スズキ)は軽トラ界の2大巨頭とも言える存在です。今回はその2車種のスペック比較をもとに、最高速度や走行性能について解説します。
カタログスペック:ハイゼットとキャリィの違い
まずは基本的なエンジンスペックを比較してみましょう。
車種 | 最大出力(馬力) | スピードメーター上限 |
---|---|---|
ダイハツ ハイゼット | 46馬力 | 140km/h |
スズキ キャリィ | 50馬力 | 120km/h |
一見すると、馬力ではキャリィが勝っていますが、スピードメーターの上限はハイゼットの方が高い設計になっています。
馬力が高ければ速く走れるわけではない?
馬力は確かに走行性能の指標の一つですが、「最高速度」や「加速性能」を決める要素はそれだけではありません。車両重量、ギア比、エンジンの回転特性、駆動方式(FRか4WDか)などが複合的に影響します。
例えば、キャリィは50馬力と高出力ですが、ギア比が低めに設定されており、登坂性能や低速トルク重視の傾向があります。これにより重い荷物を積んだ状態でも力強く走れる反面、高速域での伸びは控えめです。
スピードメーターの上限=最高速度ではない理由
スピードメーターの目盛りは、あくまでも「計器の表示上限」であり、実際にその速度まで出せるかは別問題です。ハイゼットのメーターが140km/hまであるからといって、実際に140km/hで走行できるわけではありません。
一方でキャリィは120km/h表示でも実際には115〜120km/h前後までは出せるという報告もあります。つまり、実走行の最高速度は車両セッティングやエンジン特性に依存しており、メーター上限だけでは判断できません。
ユーザーの体感:どちらが速いと感じるか?
実際に両車を運転したユーザーの声を調査すると、キャリィは低速トルクが太く、発進時や坂道での力強さが高く評価されています。ハイゼットは回転上昇がスムーズで、エンジン音も静かであるため、高速走行時の安定感があると感じる人も多いようです。
つまり、街乗り・坂道重視ならキャリィ、高速走行や静粛性重視ならハイゼットが向いていると言えるでしょう。
最高速度よりも重要な「使い方に合った性能選び」
軽トラの選び方で重要なのは「最高速度がどれくらい出るか」よりも、「実際にどのような使い方をするか」です。高速道路を頻繁に利用するならハイゼット、山間部での農作業などではキャリィのトルクが活きてきます。
また、メーカーによって装備や燃費、安全機能にも違いがあるため、単純に馬力やスピードメーターだけで優劣をつけるのは避けた方がよいでしょう。
まとめ:ハイゼットとキャリィ、スピードよりも目的に合った選択を
ハイゼットのメーターが140km/hでキャリィが120km/hという違いはありますが、実際の最高速度は装備や仕様、走行環境によって異なります。馬力だけではスピードの優劣は決まりません。
それぞれに強みがあり、どちらが「速い」というよりも「使い方に合っているか」が最も大切です。購入前に試乗し、自分の用途に合った軽トラを選びましょう。
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