車の点検といえば「車検」は広く知られていますが、それとは別に「12カ月点検(法定1年点検)」という制度があるのをご存知でしょうか。特に年末の12月に受けるケースも多いこの点検、実際のところやらないとどうなるのか、ディーラーにはバレるのか?といった疑問を感じている方も多いようです。この記事では、12カ月点検の概要や実施状況、未実施時の影響についてわかりやすく解説します。
12カ月点検とは?義務だけど罰則はなし
12カ月点検は道路運送車両法に基づく「法定点検」の一つで、1年ごとに実施することが定められています。しかし、車検と異なり、点検をしなかったからといって罰則はなく、違反になることもありません。
この意味では、まさに自転車のヘルメット着用義務のような位置づけで、「努力義務」に近い存在といえます。実施は推奨されていますが、実際に受けていない人も少なくありません。
12月点検を受けていない人は多い?
国土交通省のデータによれば、12カ月点検の実施率は全体の約40〜50%程度。つまり、半数近くのドライバーが実施していないのが現状です。特に「異常を感じないから不要」「費用がかかる」といった理由で敬遠されがちです。
12月点検と呼ばれるのは、車検が12月にある人が翌年12月に受けるサイクルだからで、月自体には特別な意味はありません。
やらなかったらディーラーにバレる?
ディーラーでは、前回の点検記録や入庫履歴を確認することができるため、点検を受けていなければすぐにわかります。ただし、やっていないからといって注意されたり、車検を断られたりすることは基本的にありません。
「点検済みとしておいてほしい」と頼んでも、記録簿への虚偽記載はできません。点検記録簿には整備士のサインと日付が必要なため、未実施で記録を残すことは不正行為となります。
12カ月点検を受けるメリットとは?
12カ月点検を実施することで、以下のようなメリットがあります。
- 早期の不具合発見:ブレーキパッドの摩耗やバッテリーの劣化など、車検まで気づきにくい異常を早期に発見できます。
- 車両トラブルの予防:重大な故障や事故のリスクを軽減できます。
- 下取り査定の加点:点検記録簿の有無は、下取り価格に影響を与えることがあります。
実際に、オイル漏れや冷却水不足など、12カ月点検で発見される不具合は少なくありません。
実例:12カ月点検を省いた結果、思わぬ修理費が
点検を受けずにいたユーザーAさんは、ある日ブレーキの異音に気付きディーラーへ入庫。ブレーキパッドが限界まで摩耗しており、ディスクローターまで交換が必要になり、約6万円の出費に。
「1万円の点検をケチって、6万円の修理費に…」という後悔の声も。未然に防げる不具合こそが、12カ月点検の重要性を物語っています。
まとめ:点検は義務だけど自由、それでも意味はある
12カ月点検は法律上の義務ではあるものの、罰則はなく、受けなくても車検は通ります。ただし、安全性の確保や将来の出費リスクを抑えるという観点では、受けておいて損はありません。ディーラーには履歴で把握されますが、指導や罰則はないため、「やる・やらない」は自己判断に委ねられています。愛車を長く安心して乗るためにも、一度検討してみてはいかがでしょうか。
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