新車を購入したにもかかわらず、装着されていたタイヤが明らかに使用感のある安価なものだった――そんな経験をしたら誰でも驚きと不信感を抱くでしょう。ディーラーでの新車購入において、タイヤが中古だったというケースは稀ではあるものの、起こり得る事例として認識しておく必要があります。
新車に中古タイヤが装着されることはあるのか?
原則として、新車には工場出荷時に新品タイヤが装着されているのが通常です。しかし、店舗間の車両移動や試乗車としての使用、整備中の代車使用などによって、一時的に走行された車両が「新車」として販売されることがあります。
このような場合、車両本体は新車でもタイヤだけが摩耗していたり、社外品に交換されているケースも考えられます。
実際に起こったトラブル事例
あるユーザーは、HONDAディーラーで新車を購入後、帰宅してからタイヤのブランドと摩耗状態に違和感を抱き、確認したところ安価なノンブランドの中古タイヤであることが判明しました。
納車時には「新車=すべて新品」と思い込んでいたため、見落としたとのこと。後日ディーラーに確認すると、別の展示車からタイヤを仮付けしていたことがわかり、無償交換に応じてもらえたそうです。
納車時にチェックすべきポイント
こうした事態を防ぐには、納車時に次のようなチェックを行うことが重要です。
- タイヤの製造年週(サイドウォールに刻印)を確認する
- タイヤブランドとグレードを記録する
- トレッドの摩耗状態(スリップサインやひび割れ)を確認する
- 走行距離が極端に多くないかメーター確認
納車前に車両の状態確認リストを作成し、営業担当に一緒にチェックしてもらうとトラブル回避に効果的です。
もし中古タイヤが装着されていたらどう対応すべきか?
まずは速やかに購入先のディーラーに状況を説明し、納車時の状態や契約内容に齟齬がないかを確認しましょう。「新車販売」と記載された契約書があるにも関わらず、中古タイヤが装着されていれば、十分に説明責任を求める根拠になります。
対応が不誠実な場合には、自動車公正取引協議会(こちら)などの第三者機関に相談するのも有効です。
そもそも「新車」の定義とは?
一般的に「新車」とは、メーカーから出荷され、ユーザー登録されていない車両を指します。ただし、ディーラー間での移動や短期間の試乗などによる若干の走行は許容されるケースもあります。
そのため、「登録前=新車」「登録済=未使用車または中古車」という分類が現場では使われています。購入者としては「装着部品まで新品であるか」を明確に確認しておくことが重要です。
まとめ:疑問を持ったら遠慮せず確認を
新車購入は大きな買い物だからこそ、「これは普通のことなのか?」と感じた点は遠慮せずに確認することが大切です。今回のように納車後に不具合や違和感を覚えた場合も、早めの対応と記録保存がトラブル回避の鍵となります。
納車=終わりではなく、確認作業も含めて契約の一部として意識することで、納得のいくカーライフをスタートできます。
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