かつて街乗りバイクとして一世を風靡した2ストロークスクーター「アドレスV100」。現在では見かける機会も減り、その希少性やエンジン特性から徐々に注目が集まっています。NSR50やNSR250のように2ストロークスポーツバイクがプレミア価格となっている今、アドレスV100などの実用スクーターが同様に高騰する日は来るのでしょうか?この記事では、その可能性と今後の展望を解説します。
2ストロークスクーターが高騰しにくい理由
NSRシリーズのようなスポーツバイクが高騰している背景には、レース文化や当時の性能の高さへの評価、所有欲を満たす「特別感」があります。一方、アドレスV100は通勤・通学など日常使いの道具として普及しており、趣味性やブランド性ではやや劣ります。
また、長年使い倒された個体が多く、コンディションの良い車両が極端に少ないため、「市場価値の上昇=プレミア化」という点で時間がかかりやすいといえるでしょう。
価値上昇の兆しはある?現在の中古市場動向
ここ数年、ヤフオクやバイクオークションサイトでは、ノーマル状態のアドレスV100が10万円〜20万円台で取引される例が増えてきています。特に低走行・無改造の個体は希少価値が上がってきており、20年前には考えられなかった価格帯です。
一部のバイクショップでは、整備済み個体に25万円以上の値を付けるケースもあり、今後も「懐かしさ」や「維持のしやすさ」によってファン層の支持が高まると予測されます。
ネオレトロブームとの関係性
バイク業界では、Z900RSやモンキー125などの「ネオレトロ」カテゴリーが人気を博しており、その影響で旧車への注目も高まっています。このトレンドにより、80年代・90年代に登場したモデルが再評価される流れが続いています。
アドレスV100も、「実用性+当時の軽快な乗り味」という価値を見直す動きの中で、趣味バイクとしての認知が進めば、高騰の可能性が開けてくるでしょう。
高騰には“時間”と“ファン層の成熟”が必要
NSR250やTZRなどが高騰している最大の要因は、当時それに憧れた世代が今になって「金銭的余裕+郷愁」をもって再購入していることにあります。アドレスV100も同様に、通勤で使っていた世代が退職後の趣味として探し出す時期になれば、価値は自然と上がるでしょう。
このような現象が起こるには、おおよそ20年程度の時間がかかるケースが多いため、2035〜2045年あたりが本格的な価値上昇期になる可能性もあります。
今、手に入れておくべき理由
すでに生産が終了して久しく、部品供給も年々厳しくなっているアドレスV100。今のうちに程度の良い個体を確保し、しっかりと整備をして維持することで、将来の価値上昇時に有利に立てるかもしれません。
保管場所の確保やメンテナンス知識も含め、今後に備えた“投資的趣味”としての価値も考えられる時代になってきたと言えるでしょう。
まとめ|アドレスV100がプレミア化する未来は近づいている
現時点でアドレスV100の価格がNSRシリーズのように爆発的に高騰するには至っていませんが、ネオレトロブームやファン層の成熟によって、あと10〜20年で価格が2〜3倍になる可能性は十分にあります。
今はまだ「狙い目」と言える時期。将来に備えて保管・整備し、育てる楽しみを味わってみるのも面白い選択肢になるかもしれません。
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