MR2後期(3S-GTE第3世代)とカルディナ最終型(3S-GTE第4世代)のCT20Bタービンについて、タービンの材質に関して混乱が生じることがあります。特に、MR2後期のタービンがセラミック製であると認識されていることに対し、実際には金属製タービンが使われていることがあります。この記事では、これらのタービンに関する誤解を解き、実際の違いについて詳しく解説します。
MR2後期のCT20Bタービンの仕様
MR2後期(3S-GTE第3世代)のCT20Bタービンは、以下のような特徴を持っています。
- タービンホイール径:約62mm
- コンプレッサーホイール径:約60mm
- タービンブレード枚数:11枚
- コンプレッサーブレード枚数:6+6枚(スプリットベーン構造)
- タービンA/R:約0.73
- コンプレッサーA/R:約0.70
- 最大ブースト圧:約0.95kg/cm²(93.1kPa)
- 材質:タービンホイールはインコネル合金、コンプレッサーホイールはアルミ合金
これらのスペックは、高い耐久性を持ちながら、性能的にもバランスが取れており、多くの愛用者を持つタービンです。しかし、タービンホイールが「セラミック」であるという認識は誤解です。実際には、インコネル合金が使用されています。
カルディナ最終型のCT20Bタービンの仕様
カルディナ最終型(3S-GTE第4世代)のCT20Bタービンも、MR2後期と多くの共通点がありますが、いくつかの異なる点もあります。
- タービンホイール径:約62mm
- コンプレッサーホイール径:約60mm
- タービンブレード枚数:11枚
- コンプレッサーブレード枚数:6+6枚(スプリットベーン構造)
- タービンA/R:約0.69(MR2より若干小さい)
- コンプレッサーA/R:約0.70
- 最大ブースト圧:約0.98kg/cm²(96.1kPa)
- 材質:タービンホイールはインコネル合金、コンプレッサーホイールはアルミ合金
カルディナ最終型のタービンも金属製で、インコネル合金が使用されています。特に、タービンA/R比が若干小さく設定されており、低回転域からのレスポンスが向上しています。
MR2後期とカルディナ最終型のタービンの違い
両者の主な違いは、タービンA/R比の違いです。MR2後期のCT20BのタービンA/R比は約0.73で、カルディナ最終型の約0.69より若干大きいため、MR2後期の方が高回転域でのパフォーマンスが優れています。
また、カルディナ最終型のタービンは、ECU制御が異なり、若干高いブースト圧設定がされています。これにより、カルディナのタービンは低回転域でのレスポンス向上を実現しており、さらに制御面でも進化しています。
セラミックタービンについての誤解
MR2後期のCT20Bタービンが「セラミック製」という誤解はよくあることですが、実際には金属製タービン(インコネル合金)を使用しています。セラミックタービンは、主に高温耐性に優れ、軽量化が可能なため、レーシングカーなどでは使用されることがありますが、MR2後期やカルディナ最終型のCT20Bタービンにはセラミック素材は使用されていません。
したがって、MR2後期のタービンが「セラミック製」と思い込むことは誤りであり、実際にはインコネル合金のタービンホイールが使用されています。
まとめ
MR2後期とカルディナ最終型のCT20Bタービンは、共通点が多いものの、タービンA/R比やブースト圧設定に違いがあり、それぞれに特長があります。また、MR2後期のタービンがセラミック製という誤解についても、実際にはインコネル合金製であることを理解することが重要です。これにより、タービンの選定やメンテナンスの際に正しい知識を持つことができます。
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