中国EV大手BYDが抱える“巨額の影”――表面には見えにくいサプライチェーン融資や価格戦略の狙いを読み解く。この記事は、BYDの実態を理解するためのポイントを整理します。
サプライチェーン融資(プロミッショナリーノート)とは?
BYDは部品調達時に⟨Dilink⟩と呼ばれるプロミッショナリーノートを発行し、サプライヤーへの支払いを先延ばしにしています。
GMT Researchによれば、伝統的な支払い期限の約275日と大幅に長く、支払い遅延による借入とみなされる場合もあります :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
実際の負債はいくらなのか?
BYD自身は2024年半ば時点で当座負債ネットは277億元と発表しましたが、GMTによると実質的には3,230億元と、10倍以上の差がある可能性が指摘されています :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
なぜ価格を10~30%も割引している?
在庫が滞っている背景もあり、中国市場で一時的に22車種を10〜30%割引するキャンペーンを展開 :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
これは販売促進策である一方、利益圧迫や価格競争激化を招く可能性があります。
失われた利益と倒産リスクは?
価格競争により国内外のライバルが同様の値下げに乗り出すと、BYDの利鞘(粗利)が急激に縮小し、融資コスト増加や経営圧迫につながるリスクがあります :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
投資家への影響、本当に倒産の可能性はある?
正確な透明性を欠く負債構造は、投資家がリスクを見誤る要因となります :contentReference[oaicite:5]{index=5}。
必要以上の延長支払いに依存した戦略は、金利上昇局面で急激に脆弱となる恐れも。
軽EV戦略と今後の展望
軽自動車EVの投入は進めていますが、価格戦争など構造課題を解決しない限り、日本国内での成功確率は限定的。
保険料高騰なども含め、投資サイドからのリスク認識が不可欠です。
まとめ:EVを買う側と売る側、注意すべきポイント
BYDは売上・利益ともに成長していますが、負債構造と価格競争がその裏に潜むリスクを示しています。
EV購入や投資判断をする際には、短期的な価格ではなく、財務の健全性や価格動向、長期的な戦略をもとに判断することが不可欠です。
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