スバルWRX STI(VAB型)は高性能ターボエンジンを搭載するスポーツセダンとして、多くのチューニング愛好者に支持されています。その中でもエンジン吸気系統の要であるサクションパイプは、性能維持やパーツ交換時の正しい知識が不可欠です。この記事では、WRX STI(VAB型)のサクションパイプと、ブローオフバルブのリターンパイプ接続部に関する構造・サイズの詳細を解説します。
サクションパイプとは何か?基本構造と役割
サクションパイプは、エアクリーナーからタービン(ターボチャージャー)に空気を供給するための配管です。エアフロメーターを通過した吸気がこのパイプを通り、最終的にタービンに吸い込まれて過給されます。パイプ形状や内径、材質の違いによりレスポンスや吸気効率に影響が出るため、チューニングパーツとしても注目されています。
VAB型WRXでは、純正でやや柔らかめの樹脂素材が使われており、社外品ではアルミやシリコン製パイプに交換されるケースも多く見られます。
ブローオフバルブの仕組みとリターンパイプの接続箇所
ブローオフバルブ(BOV)は、アクセルオフ時にタービン側へ戻ってくる過剰な圧を逃がす装置で、これによりタービンの保護とレスポンス維持が図られます。多くの純正BOVは吸気系に戻す「リターンタイプ」となっており、解放型(大気開放)ではありません。
このリターンタイプのBOVは、排出された空気を再度サクションパイプへ戻す必要があり、そのための接続口が設けられています。この接続部が、ご質問にある「右下の少し大きい穴」に該当します。
VAB型WRXのリターンパイプ接続口のサイズ(内径)
VAB型WRX STIに搭載されている純正サクションパイプのリターンパイプ接続口の内径は、おおよそ19Φ(19mm)とされています。ただし、車両年式やロット差異、純正から社外に交換されたパーツによって誤差があることがあります。
社外のサクションパイプやBOVを取り付ける際は、このΦサイズ(パイサイズ)を確認し、ホースの内径が一致するものを使用することが大切です。フィットしないと、エアリークや不完全燃焼、チェックランプ点灯の原因になるため注意が必要です。
実際の接続例と注意点
たとえば、HKS製のリターンタイプブローオフバルブを純正サクションに戻す場合、19Φまたは20Φのシリコンホースを使用することで、確実にフィットします。社外サクションパイプによっては、25Φの差し込み口が用意されているモデルもあるため、変換ジョイントの使用が必要になることもあります。
取り付け時には、必ずホースバンドを使ってしっかり固定し、エアリークを防止しましょう。冬場や経年劣化によってホースが硬化している場合、無理な差し込みは亀裂の原因になります。
まとめ:正確なサイズ確認と知識がトラブル回避の鍵
・サクションパイプは吸気の要であり、BOVのリターンもこの経路を通る
・VAB型WRXのリターン接続口はおおよそ19Φが一般的
・社外パーツ使用時はΦサイズを事前確認し、変換パーツの準備を
・取り付けミスによるエアリークを防ぐため、確実な接続とバンド固定を忘れずに
WRX STIは性能が高い分、細部のセッティングやパーツ選定が車両コンディションに大きく関わります。安心して長く乗るためにも、こうした構造理解とサイズ確認は非常に重要です。
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