中古車に保証がなくても販売店に責任はある?契約不適合責任の基本とトラブル事例で解説

中古車

中古車を購入した際にエアコンが効かない、ハンドルが取られる、異音がするなどの不具合に直面することは少なくありません。「保証がないから販売店に責任はない」という声もありますが、それは法的には誤解です。実は民法改正により導入された「契約不適合責任」により、保証の有無にかかわらず販売店に一定の責任が課せられるケースがあります。本記事ではその法的根拠と実際のトラブル例を交えてわかりやすく解説します。

「契約不適合責任」とは?中古車にも適用される法律の基礎

2020年の民法改正により「契約不適合責任」が導入され、売買契約で引き渡された商品(中古車含む)が契約の内容に適合しない場合、販売者が修理・代替・損害賠償などの責任を負うと定められました。

中古車販売においても、購入者が「通常期待される性能や品質」を満たしていないと合理的に判断できる不具合については、保証の有無に関係なく販売店に責任が発生します。

保証がなくても「事前説明のなかった不具合」は対象

たとえばエアコンが効かない、明らかな異音がする、ハンドルが取られるなどの問題が、購入前に説明されていなかった場合は契約不適合責任の対象になる可能性が高くなります。

これは、たとえ「現状販売」「保証なし」とされていても、事前に告知されなかった重大な欠陥であれば、買主は販売店に対して修理・代金返還を求める法的根拠があります。

販売店は「知っていたこと」だけでなく「知るべきだったこと」も責任範囲に

販売店が故意に告知しなかった場合はもちろん、見落としであっても「通常の点検で気づけたはずの不具合」は責任を問われる対象です。

たとえば、再塗装歴を隠していた、事故車であることを告げなかった、明らかに動作がおかしいのにそのまま納車したなどは、販売店の注意義務違反として問題視される可能性があります。

実例:購入後に発覚した不具合とその対応

ケース1:納車3日後にエアコンが冷風を出さなくなった→販売店は「保証外」と主張するも、契約不適合責任を根拠に修理費の全額を請求し、支払いに応じた。

ケース2:ハンドルが右に取られる症状→アライメント異常が納車時に存在し、整備記録にも記載がなかったため、販売店が調整費用を負担した。

トラブル回避のために購入前にできること

契約時に「現状販売」「保証なし」などの文言がある場合でも、不具合の説明があるかどうかを必ず確認しましょう。

また、以下の書類・情報を明確にしておくことがトラブル回避につながります。

  • 車両状態説明書(修復歴・塗装歴・機能の状態)
  • 整備記録簿
  • 保証内容の明示

まとめ:保証なしでも「説明のなかった不具合」は法的責任がある

中古車は不具合がつきものとはいえ、事前説明のない重大な欠陥に対しては、販売店に契約不適合責任が適用されることがあります。

トラブルに遭遇した場合でも泣き寝入りせず、内容証明郵便や消費生活センターの活用も含め、正当な主張を行うことが大切です。安心して中古車を購入するためにも、法的知識と確認作業を怠らないようにしましょう。

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