車のメンテナンスといえばエンジンオイルとオイルエレメントの交換が定番ですが、それだけで本当に安心でしょうか?実は、車の中には他にも定期的に交換すべきオイルやフルードがいくつか存在します。この記事では、見落とされがちな重要なオイルやフルードの種類とその交換時期、交換しないことで生じるリスクについて詳しく解説します。
エンジンオイルとオイルエレメントの役割と交換目安
エンジンオイルはエンジン内部の潤滑・冷却・洗浄の役割を果たす最も重要なオイルです。オイルエレメントはオイルの中の不純物を取り除くフィルターの役目を担います。
交換の目安は、オイルは5,000km〜7,000kmまたは半年ごと、エレメントは1万kmまたはオイル2回交換に1回が一般的です。
CVTフルード(オイル)の重要性と交換時期
CVT(無段変速機)搭載車には、専用のCVTフルードが使用されています。これが劣化すると変速ショックが出たり、最悪の場合CVTが故障するリスクもあります。
メーカーにもよりますが、3万〜5万kmごとの交換が推奨されることが多く、走行条件によってはさらに短くなることもあります。なお、ディーラー整備ではCVTフルードの状態をスキャンツールで点検してくれることがあります。
その他にもある交換が必要なオイルやフルード
- ブレーキフルード:制動力に直結する重要な液体で、2年ごとの交換が推奨されます。
- パワーステアリングフルード:操舵の軽さを保つ役割。劣化するとステアリングが重くなり異音の原因にも。
- デフオイル(後輪駆動・四輪駆動車):駆動力伝達のために必要。3〜5万kmで交換推奨。
- トランスミッションオイル(MT車):ギアの潤滑と冷却に必要で、5万km〜10万kmごとに交換が望ましい。
これらは走行性能や安全性に直結するものばかりであり、定期点検時に一緒に確認してもらうのがベストです。
なぜほとんどの人がエンジンオイルしか交換しないのか
多くの人が「車検時に言われなければ気づかない」「オイルの存在を知らない」「費用がかかると思って敬遠する」といった理由から、エンジンオイル以外の交換を後回しにしてしまいがちです。
実際には、CVTフルードなどの交換費用も1〜2万円程度で済むことが多く、ミッションやCVTの修理費(数十万円)と比べれば安価な“予防整備”と言えるでしょう。
実例:CVTオイルを交換しなかったことで発生したトラブル
あるユーザーは10万km超までCVTフルードを無交換で使用し続けた結果、変速時にジャダー(振動)が発生し、最終的にはCVTの交換が必要となり30万円以上の出費になったと報告しています。
一方、別のユーザーは5万kmごとにCVTオイルを交換しており、15万kmを超えても快調に走行できていると述べています。このように、メンテナンスの差が長期的な出費にも影響するのです。
まとめ:定期的な点検と予防整備が愛車を守る
エンジンオイルとエレメントの交換だけで満足していると、知らず知らずのうちに他の部分が劣化してトラブルを招くことがあります。CVTオイルやブレーキフルード、パワステフルードなども、走行距離や年数に応じて定期的な交換を心がけましょう。
点検や交換の際は、国土交通省の車検ガイドや、メーカー指定の整備マニュアルを参考にするのがおすすめです。
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