「教習所を卒業した人なのに運転技量が低く、よく卒業できたな…」と思う人を見かけて、「そんな人に免許与えるような教習所って大丈夫なのか?」と疑問に思うことはあります。特にのような免許だと、その不安は大きくなりがちです。本記事では、教習所の認定が取り消されたり、停止される可能性が制度的にあり得るのか、そして実際にどのような場合に起きるかを整理します。
指定教習所の「指定/取消」はだれが決めるのか
日本では、教習所(自動車学校など)はの認定を受けて「指定教習所」となっています。指定された教習所は、免許取得希望者に対して教習および技能検定を実施する資格があります。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
しかし、公安委員会には、その指定を「取消」または「停止」する権限もあります。つまり、教習所が一定の基準を満たさないと判断されたとき、指定を取り消される可能性が制度上存在します。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
では、事故や卒業後の免許取得者の質が低いだけで「取消」はされるか
重要なのは、「死亡事故・重大な基準違反」「技能検定の不正」「教習の不適切な運営」など、公的なルール違反や不正行為があったかどうかです。たとえば営業資格を持たない教習所が教習を行なったり、検定時に不正があったりすれば、指定取消の対象になります。
一方で「卒業後に事故が多い」「教習後の技量が思わしくない」というだけでは、公的な処分の根拠にはなりにくいのが現実です。教習所はあくまで“教える場”であり、その後の運転者がどう扱うかまでは保証の対象外だからです。
過去に教習所の指定取消・停止が行われた例と理由
実際に公安委員会による教習所の「指定取消・停止」は起こりえます。理由としては、例えば「教習記録の改ざん」「検定不正」「教官の資格要件違反」「安全管理義務の怠慢」といった法令違反や免許制度の運用違反があげられます。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
しかし、「卒研に受かるレベル」「卒業後の事故歴の多さ」「教習の質に対する口コミ」など“あいまいな評価”だけで指定取消される制度にはなっていません。つまり、「うまく卒業できた/できない」と「指定取消」の間には法的な線引きがあります。
なぜ“卒業後の事故”だけでは判断されにくいのか
教習所の目的は「一定の交通法規と基本運転技術の取得機会を提供すること」であって、それを以後の運転の安全や継続性まで保証するものではないからです。つまり卒業後は本人の運転判断・運転環境・経験・注意義務が事故の大きな要因になります。
たとえば、免許取得直後は基本操作ができていても、慣れや慢心、過信、環境の変化などで事故につながるケースもあるため、教習所の責任範囲はそこまで広くありません。
ではどうすれば「安全な教習所」を見極められるか
教習所選びで後悔しないためには、以下のようなチェックが有効です。
- 公安委員会からの指定状況・過去の行政処分歴を確認する
- 教官の資格、教習体制、車両・設備の整備状況を確認する
- 同教習所を卒業した人たちの会話や口コミを見る。ただし“事故歴”=“教習所の責任”とは限らない点を理解する
- 自分自身が“免許をとったら終わり”ではなく、安全運転に対する意識を持ち続ける
まとめ:事故が多くても、それだけで教習所の認定取消はほとんど起きない
教習所の指定が取り消されたり停止されるのは、あくまで「法令違反・検定不正・教習運営の重大な不備」があった場合です。一方で、「卒業後に運転がおぼつかない」「事故率が高い」といった“目に見えにくい問題”だけでは、公的処分に結びつくことは稀です。
つまり、「大型二輪免許を取った人の技量が低くて驚く」という印象はあっても、それだけで教習所に対する制度上の責任や処分を期待するのは現実的ではありません。ただし、安全運転と運転者自身の意識・行動が、最終的には事故を防ぐ最大の要因となります。


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