トヨタ・クラウンは日本を代表する高級セダンとして長年親しまれてきましたが、時代とともにマフラー音にも進化が見られます。本記事では、クラウンの「ノーマルマフラー音」と「普通の音」の違いを軸に、初代から現行モデルまでの音質傾向をわかりやすく解説していきます。
クラウンのマフラー音の特徴とは?
クラウンのマフラー音は、基本的に「静粛性」と「上品さ」を重視したチューニングがされています。ノーマルの状態ではエンジン音や排気音が室内に響かないよう設計されており、いわゆる“普通の音”は「街乗りで気にならない程度の落ち着いた音」です。
「ノーマルの音」=メーカー純正で意図的に静音化された音、「普通の音」=日常で気になるか気にならないかレベルの音と捉えるとわかりやすいでしょう。
初代〜5代目(1955〜1980年):静粛性の黎明期
初代RS型(1955年)から5代目MS110型(1979年)までは、直列6気筒や4気筒エンジンが主流でした。当時のマフラー音はやや控えめながら、遮音性能もまだ発展途上で「ノーマルだけどエンジンの存在は感じる」といった印象でした。
特にクラウン・スーパーデラックスなど上級グレードでは遮音材が厚めにされていたため、運転席と後席でマフラー音の聞こえ方が異なることもありました。
6代目〜9代目(1980〜1999年):高級セダンとしての成熟
この時期にはクラウンの高級路線が確立し、マフラー音は「なるべく聞こえない」が理想とされていきます。7代目MS120型以降では、エンジンルームからの遮音や排気系のサイレンサー性能が向上し、「普通の音」=「ほぼ無音に近い」が標準に。
例:9代目JZS151(1995年)では直6エンジンのジェントルな排気音が特徴で、高速道路でも静かに加速する“音のない上質さ”が人気でした。
10代目〜13代目(1999〜2012年):静音性能とスポーティの分岐点
10代目S170系(1999年〜)からは、V6エンジン搭載が主流に。音質はさらに洗練され、アイドリング時の静粛性はクラストップレベルに到達。特にロイヤル系は徹底的に静音化されています。
ただし、アスリートグレードではスポーティな味付けのため、やや低音が強調されたマフラー音になっており、「普通」と言いつつも走りに期待が持てる音も感じられました。
14代目〜現行型(2012年〜):環境性能と音の演出の融合
14代目(S210系)以降はハイブリッドモデルが中心となり、マフラー音自体がほぼ無音という傾向に。低速走行ではエンジン音がしないため、「普通の音」とは言えないほどの静かさが実現。
しかし15代目(S220系)以降の「2.0ターボ」や「2.5ハイブリッド」では加速時に人工的に制御されたエンジンサウンドが響くなど、音質演出にも工夫が見られます。最新モデルでは“静かすぎず上質”が求められ、ノーマルでも「心地よい重低音」が残されています。
ノーマルマフラー音と社外マフラーの違い
クラウンのノーマルマフラー音は極めて静かで、社外マフラーに交換すると一気に個性が出てきます。HKSやFUJITSUBO製マフラーなどでは、スポーティな重低音が加わるため、街中での存在感が変わると感じる方も。
一方、住宅街や早朝深夜の使用時に「うるさい」と感じられることもあるため、自分のライフスタイルや使用環境を考慮して選びましょう。
まとめ:クラウンは“静かさこそ上質”を追求してきた
クラウンのマフラー音は、ノーマルでも「耳に残らない上質な静けさ」を追求して進化してきました。「普通の音」とは一般的な車両と同程度の音という意味合いであり、クラウンの場合それは「非常に静かで控えめな音」だといえます。
- 初代〜中期モデルはやや聞こえる自然な音
- 現行モデルは無音に近い滑らかな静粛性
- アスリートやスポーティグレードではやや低音が強調
クラウンは“目立たず気品を保つ”車であり、マフラー音にもその哲学が息づいています。
コメント