軽自動車を自分仕様にカスタマイズする中で、リアシートの撤去による2人乗り化を検討される方も増えています。しかし、構造変更によるナンバー区分や任意保険の扱いについては注意が必要です。この記事ではHE21Sアルトラパンなどを例に、2人乗り化の際に押さえておくべきポイントを解説します。
リアシートを外すだけでは構造変更にならない?
リアシートを物理的に撤去するだけでは、法律上の乗車定員には影響がありません。つまり、車検証上の乗車人数を変更しない限り、あくまで4人乗り扱いになります。これは一時的な荷物の積載などを想定しており、合法とされています。
ただし、「恒久的に2人乗りにしたい」「シートベルトやシート基部も完全に撤去したい」という場合は構造変更が必要になり、その際にはナンバー区分も変更となる可能性があります。
構造変更時のナンバー変更の基準
軽自動車が2人乗り化に伴い貨物登録となる場合、「4ナンバー(小型貨物)」になるのが一般的です。これは乗用から貨物へ用途変更することで税制や車検区分が変わります。
しかし、用途が乗用のままであれば必ずしも4ナンバーになるわけではありません。一部ケースでは「5ナンバーのまま」2人乗り登録も可能です。ただし、これには地域の運輸支局による判断や構造確認が必要です。
4ナンバー化のメリットとデメリット
メリット:
- 自動車税が若干安くなる(年間約4,000円〜5,000円程度)
- 事業用途であれば減価償却など税制メリットがある
デメリット:
- 車検が毎年になる
- 任意保険のプランが貨物用になるため割高または選択肢が少ない場合がある
- 同乗者を乗せる機会が減ることで実用性が低下する
任意保険の取り扱いに注意
任意保険においては、「4ナンバー軽貨物」となると商用車扱いになることがあります。これにより、個人向けプランが適用されず保険料が上がることや、特定の補償内容が制限されることも考えられます。
また、一部の保険会社では「貨物車に対しての補償制限(車両保険不可など)」を設けているため、契約前にはしっかり確認する必要があります。
実際の構造変更の流れ
2人乗りに構造変更するには以下の手順が必要です。
- 整備工場や陸運支局にて必要書類と手続きを確認
- 座席の撤去、部品の変更などを実施
- 構造変更検査の予約・受検
- 新しい車検証の発行(ナンバー変更がある場合はプレート交換も)
構造変更には専門的な知識と手続きが必要になるため、信頼できる整備事業者と連携して進めるのが確実です。
まとめ:軽自動車の2人乗り化は計画的に
軽自動車を2人乗りにする場合、構造変更によってナンバーや保険内容に大きな影響が出ることがあります。必ずしも4ナンバーになるとは限りませんが、変更の可否や影響は地域の運輸支局や保険会社の判断にもよるため、事前の確認が重要です。
費用面・利便性・保険の条件などを総合的に見極めて、自分の用途に最適な形でカスタムを進めましょう。
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