ユーザー車検は、費用を大幅に抑えられるメリットがあるにもかかわらず、実際には多くのドライバーがディーラーや整備工場に車検を依頼しています。今回はその背景にある理由を詳しく解説します。
ユーザー車検とは?基本をおさらい
ユーザー車検とは、車の所有者が自ら運輸支局に車を持ち込み、必要な検査を受けて車検を通す方法です。通常の整備付き車検と違い、中間マージンがないため、費用は法定費用のみの3~5万円ほどに収まるケースもあります。
例えば、軽自動車なら約3万円、普通車なら約4~5万円で済むことが一般的です。これだけ見ると「なぜみんなユーザー車検にしないの?」と疑問に思うのも無理はありません。
ユーザー車検を避ける理由1:手続きの複雑さ
最も多く挙げられる理由は「手続きが面倒」という点です。運輸支局での検査予約、必要書類の準備、当日の検査手順などを自分で調べて対応する必要があります。
さらに、初めてのユーザー車検では流れがわからず、検査ラインで戸惑ったり不合格になることもあります。そのため、「確実に通したい」「時間がない」と感じる人は、業者に任せる傾向があります。
ユーザー車検を避ける理由2:整備への不安
車検では安全性が最重要視されます。整備工場やディーラー車検では、法定点検と一緒に整備が行われるため、問題が見つかれば即修理される安心感があります。
一方、ユーザー車検では整備は自己責任です。ブレーキや下回りの不具合を見落として車検に挑むと不合格になるリスクがあるうえ、重大な不具合を見逃すと事故につながる可能性もあるため、慎重になる人が多いのです。
ユーザー車検を避ける理由3:設備や工具がない
ユーザー車検前には、自分で点検を行うか、点検のみ整備工場で受ける必要があります。タイヤの摩耗、ブレーキパッドの厚み、ランプ類の点灯などチェックすべき項目は多く、最低限の整備知識や道具も必要です。
例えば、光軸調整や排気ガス測定などは専用機器がないと確認できません。こうした環境が整っていないと、自宅では対処できないため業者に依頼する選択になります。
ユーザー車検を避ける理由4:再検査のリスクと手間
検査に不合格になると、指摘された項目を修理して再検査を受ける必要があります。これは時間も手間もかかるため、仕事や育児で忙しい人にとっては大きな負担になります。
また、再検査のためにまた運輸支局に行くとなると、平日に時間が取れる人に限られてしまうという問題もあります。
それでもユーザー車検を選ぶ人もいる
DIYが好きな人や整備に自信のある人、また車検の費用を徹底的に抑えたいという人には、ユーザー車検は魅力的な選択肢です。予備検査場で事前チェックを受けたり、点検整備記録簿を参考に整備を行うことで、合格率を高めることもできます。
実際に筆者もユーザー車検を3回経験していますが、慣れるとスムーズに進み、費用も抑えられて満足度は高いです。
まとめ:費用よりも安心や手間の方が重視される
ユーザー車検はコストを抑えるには非常に有効な方法ですが、多くの人が選ばない背景には、「整備の不安」「手間の多さ」「再検査リスク」などがあることがわかります。
車に詳しくない方や、忙しい生活を送る方にとっては、プロに任せて安心を買うという考え方も大いに理解できる選択です。自分のスキルや生活状況に合わせて、最適な車検方法を選びましょう。
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