SP規格エンジンオイルは柔らかく減りやすい?粘度・規格別の使用感と対策を徹底検証

車検、メンテナンス

エンジンオイルを選ぶ際、規格や粘度の表記だけで性能を判断するのは難しくなっています。最近注目されている「SP規格」のオイルに対して、「柔らかい」「オイル減りが早い」という声が一部ユーザーから聞かれます。本記事では、SP規格の特徴と、10W-30・10W-40などの粘度と使用感の関係について、実体験と技術的視点を交えて解説します。

SP規格の概要と目的

SP規格(API SP)は、従来のSN規格の後継として2020年から採用されている最新のガソリンエンジンオイル規格です。

主な特徴は以下の通りです。

  • LSPI(低速早期着火)対策:ダウンサイジングターボ車への対応
  • 摩耗・スラッジ防止性能の向上
  • 省燃費性の向上

このような背景から、SP規格のオイルは化学合成油をベースにしており、より「低粘度・高流動性」なブレンド傾向があります。

10W-30や10W-40でも柔らかく感じる理由

同じ粘度表記でも、「ベースオイルの粘性」や「添加剤の設計」によって体感粘度が異なります。特にSP規格のオイルは、フリクション低減を優先した処方になっているため、

粘度表示以上に“柔らかく感じる”ことがあるのです。これにより「オイルの減りが早い」と感じる方もいます。

実際の使用者の声と傾向

ケース1:軽ターボ車でSP規格10W-30を使用したユーザーAさんは、1000km走行後にゲージで明確な減りを確認。SN規格の時よりも消費が早かったとのこと。

ケース2:自然吸気エンジンにSP規格10W-40を使っているユーザーBさんは、特に減りは感じなかったが、エンジン音が静かでレスポンスが軽いと感じたとの評価。

つまり、エンジンの種類・コンディションによってSP規格のオイルの感じ方が大きく異なることがわかります。

粘度と規格だけでは判断できないポイント

粘度表示はあくまで「温度に対する粘性」の指標であり、油膜保持性能や揮発性は別の指標で評価されます。

たとえば、同じ10W-30でも「ベースオイルが鉱物油寄りか化学合成油か」で、粘度変化や減りやすさは大きく変わります。また、Noack揮発性などのスペックも消費量に影響します。

オイルの減りが気になる場合の対策

SP規格でも以下のような工夫で減りを抑えることができます。

  • 高粘度タイプ(例:10W-40や5W-40)を選ぶ
  • ベースオイルにPAOやエステルを使用した製品を選ぶ
  • 高温高負荷に強い添加剤配合のオイルを選択

また、メーカー公式の適合粘度範囲を超えた粘度アップは燃費や始動性に悪影響を及ぼす可能性があるため、推奨範囲内で選ぶことが重要です。

まとめ

SP規格のエンジンオイルは、従来より柔らかく感じたり、オイルの減りが早くなる傾向があるという使用者の声は事実として見受けられます。

しかし、それはエンジンとの相性やオイルの構成次第で変わるため、一概に規格だけで判断するのは難しいところです。減りが気になる場合は粘度・ベースオイル・添加剤構成を見直すことで、より自分の車に合った選択ができるでしょう。

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