ミドルクラスのネイキッドバイクとして人気の高いヤマハMT-07。しかし「雨に弱い」との声がネット上に散見されることがあります。果たしてそれは車体の構造によるものなのか、それともライダー側の使い方やメンテナンスに原因があるのか、実際の特性を解説します。
MT-07の構造と雨天時の課題
MT-07は軽量コンパクトな車体に水冷2気筒エンジンを搭載した扱いやすいバイクですが、雨の日に弱いと言われる一因には、電子機器や配線の防水性の弱さが指摘されています。
具体的には、サイドスタンドスイッチやスターター周辺に雨水が侵入しやすく、接点不良や始動不良を起こすことがあると一部ライダーから報告があります。これらは設計上の問題というよりも、定期的なメンテナンス不足や経年劣化によるゴムブーツのゆるみなどが影響しているケースが多いです。
雨天走行で実際にあったトラブル事例
あるユーザーは、大雨の中で走行中にエンジン警告灯が点灯し、そのまま始動不良を起こしたと報告しています。点検の結果、原因はイグニッションコイル周辺の配線カプラーへの浸水だったとのことです。
他にも、ブレーキディスクの錆が進行しやすい、チェーンの注油不足での鳴きが顕著になるといった例もあり、「MT-07=雨に弱い」というイメージに繋がっているのかもしれません。
防水性能と純正設計の特徴
MT-07の防水設計は決して低くありません。むしろ、日本国内の雨天走行を考慮した一般的な基準に沿っています。しかし、ネイキッドバイクであるがゆえにエンジンや電装部品が露出しやすい構造であることは事実です。
フェアリングのないデザインはスタイリッシュですが、泥跳ねや雨水の巻き上げに対する防御力は低いため、保管環境やカスタムパーツの選定が重要になります。
雨に強くするための対策と工夫
MT-07を雨に強くするためのポイントとしては、防水スプレーでの配線処理、ブレーキ周辺への定期的なグリスアップ、そしてチェーンへの潤滑が欠かせません。
また、リアフェンダーやエンジンガード、サイドカバーの追加装備も防水性の向上に役立ちます。加えて、洗車後は必ず水分を吹き飛ばし、接点にコンタクトスプレーを吹くなど、丁寧なケアがバイクの寿命を伸ばします。
雨に強い乗り方・習慣を身につけよう
たとえば出先での駐車時にカバーを使用する、雨が降った後は早めに水分をふき取るといった些細な習慣が、電装系トラブルを防ぎます。
また、定期的な点検で「カプラーの緩み」や「ゴムパーツの劣化」を見逃さないことも重要です。長く安心してMT-07に乗るためには、機械に頼るだけでなく「人間側の意識とケア」も重要なのです。
まとめ:MT-07が雨に弱いわけではない
結論として、MT-07は「雨に極端に弱いバイク」ではありません。ただし、ネイキッドバイク特有の構造や、メンテナンスの有無によってトラブルが発生するリスクはあります。
適切な防水対策と乗り方を習慣化することで、MT-07は雨の日でも安心して乗れる信頼性の高いバイクになります。見た目だけでなく、ケアのしやすさも魅力のひとつとして活かしていきましょう。
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