車に搭載されているテレビは、ドライブ中の快適さを高める装備のひとつですが、車検においてもその設置状況が評価対象になることをご存じでしょうか。とくに話題にあがるのが「テレビキャンセラー」を使用しているか否かという点です。この記事では、テレビキャンセラーがない普通の車載テレビが車検でどう扱われるのかについて解説します。
テレビキャンセラーとは何か?
テレビキャンセラーとは、走行中でも車載テレビやナビの操作を可能にする装置です。本来、走行中に映像を表示させたりナビ操作をすることは、安全上の理由から制限されている場合が多く、メーカー純正品では動作しないようになっています。
キャンセラーを取り付けるとその制限が解除され、走行中でも同乗者がテレビを見られるようになりますが、一方で運転者が注視できる状況を作ってしまうことで、安全性と法令遵守の観点から問題視されることもあります。
テレビキャンセラーがない状態での車検適合性
結論から言えば、テレビキャンセラーが取り付けられていない状態、つまり停車中やPレンジ時にしか映像が表示されない通常仕様の車載テレビであれば、車検には問題なく通るのが一般的です。
なぜなら、走行中に映像が表示されない構造であれば、運転者の視界や操作に支障をきたすものではないと判断されるためです。
車検で不適合になるケース
反対に、走行中に映像が表示される状態のままであると、次のような基準に抵触する可能性があります。
- 運転者の視界に影響を与える位置にある
- 運転中の注視が可能である
- 運転席からの操作が制限されていない
これらの条件を満たしてしまうと、整備士や検査官の判断によっては不適合とされる可能性があるため、注意が必要です。
車載テレビが車検時に見られるポイント
実際の車検では、テレビ本体というよりも、「運転中にどのような状態になるか」が重視されます。車検ではエンジンをかけた状態での動作確認も行われるため、テレビに映像が出ていないかどうかを見られることもあります。
そのため、テレビキャンセラーがついていてもスイッチでOFFにできるようになっていれば、検査時に映像が出ていなければ問題にならないこともあります。
取り外す必要はあるのか?
もしキャンセラーが付いている場合、検査のときだけ無効化できるような構造であれば取り外しの必要はありません。ただし、切り替えスイッチがないタイプの場合は取り外さなければならないこともあるので、事前に整備工場やディーラーへ相談すると安心です。
実際の整備士の対応例
ある整備士は、走行中にテレビが映る仕様であっても、検査時に映像が表示されないように設定していれば問題ないと話しています。一方、意図せず常時表示される仕様の場合、検査でNGになるリスクもあるとのことです。
また、車検整備の段階でキャンセラーを一時的に外し、通過後に再装着するケースも現実的には存在します。
まとめ:テレビキャンセラーなし=車検OK。ただし状態確認を
テレビキャンセラーが取り付けられていない通常の車載テレビであれば、基本的に車検には適合します。走行中に映像が表示される状態でなければ、整備基準に抵触することはまずありません。
しかしながら、誤ってキャンセラーをつけたまま映像が表示される設定になっていると、車検に通らない可能性もゼロではありません。心配な場合は事前に点検してもらい、安全・法令に配慮した状態で検査を受けましょう。
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