スポーツカー向けのバケットシートは見た目はシンプルでも10万円を超える製品が多く、「中身はスポンジとカバーだけに見えるのになぜ高いのか」と疑問に思う人は少なくありません。価格の多くは素材よりも“性能”と“安全性”に関わる部分に使われています。
価格の中心は「シェル構造」
バケットシートの心臓部は背もたれと座面を一体化したシェル(本体)です。見た目は樹脂のようでも、実際は高強度FRPやカーボン複合材で作られています。
この部分はドライバーの体を固定し、衝突時の荷重を受け止める構造体なので、一般的な椅子とは設計思想が全く異なります。
安全基準と強度試験のコスト
有名メーカー製は保安基準やモータースポーツ基準に準拠する強度設計がされています。
実車試験、耐久試験、荷重試験などの開発コストが価格に反映されており、これは材料費よりはるかに高額です。
体を「支える」のではなく「固定する」設計
家庭用の椅子は快適性優先ですが、スポーツシートは横Gで体が動かないことが目的です。
そのためスポンジの硬さ、形状、角度はミリ単位で設計され、少量生産のためコストが下がりません。
少量生産ゆえの価格
自動車純正シートは数万脚単位で生産されますが、社外バケットはモデルごとの生産数が少ないのが実情です。
金型・設計費を少ない数量で回収するため、単価は高くなります。
BRIDE GIASが高価な理由
GIASはリクライニング機構付きのセミバケットで、固定式より構造が複雑です。
強度を保ちながら角度調整機構を内蔵するため、内部フレームやロック機構の精度が必要になります。
見た目以上にコストがかかる部分
・高剛性シェルの成形
・強度保証の設計・試験
・少量生産体制
・車検対応設計
まとめ
バケットシートは「椅子」ではなく安全装備兼ドライビング補助装置です。材料の見た目ではなく、強度設計・安全性・開発コスト・少量生産という要素が価格の大部分を占めています。そのため構造がシンプルに見えても高価になるのが特徴です。


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