最近では多くの車に搭載されているハイブリッドシステム。その中でもホンダのe:HEV搭載車「ZR-V」は燃費性能と走行性能のバランスに優れています。今回は、そんなZR-Vに表示される「航続可能距離」と「燃料メモリ」の関係について解説します。
航続可能距離とは?
航続可能距離とは、現在の燃料残量と直近の平均燃費から計算される「あと何km走れるか」の目安を表示するものです。ホンダのe:HEV車では、直近の運転スタイル(加減速の頻度・エアコン使用・登坂など)に影響を受けて、この距離が増減します。
つまり、たとえば急加速や高速走行が続くと燃費が悪化し、航続可能距離は短く表示されるようになります。
燃料メモリとは?
燃料メモリ(インジケーター)は、ガソリンタンク内の燃料の「おおまかな残量」を示すものです。ZR-Vではメモリ表示が10個前後に分かれており、これが1つ減るごとに約1/10の燃料を消費したと考えるのが一般的です。
ただし、正確な量ではなく「推定値」なので、傾斜地や加速・減速中などには若干の変動があります。
航続距離と燃料メモリはイコールではない理由
航続距離と燃料メモリは、どちらも「燃料に関係する情報」ではありますが、イコールではありません。その理由は、以下の通りです。
- 航続距離は平均燃費と燃料残量から計算された「予測値」
- 燃料メモリはタンク内の残量を示す「目安値」
- 表示ロジックが異なり、リアルタイムで必ず連動しているわけではない
たとえば、残り5メモリで航続距離が358kmと表示されていても、平均燃費が変わればこの距離も変動します。
例:表示と実際の燃料消費の関係
例として、燃費21.4km/L・航続距離358kmと仮定すると、ガソリン残量は約16.7Lです(358 ÷ 21.4)。ZR-Vのタンク容量はおおよそ40L前後とされるため、約40%程度の残量と考えられます。つまり、メモリ5個はタンクの約半分という表示と近い水準です。
このように、航続距離は燃費から計算され、メモリはタンク残量を示すという意味で一致しない場合もあります。
ドライバーが気をつけるべきポイント
航続距離と燃料メモリを混同しないようにしましょう。特に長距離運転や山道・渋滞では燃費が大きく変化しやすいため、航続距離の数字は「保証距離」ではないことを意識してください。
燃料警告灯が点いたら余裕を持って給油すること、メモリ2以下では航続距離が一気に減ることがある点も押さえておきましょう。
まとめ:航続距離と燃料メモリは参考情報として活用
e:HEV ZR-Vのようなハイブリッド車では、燃費と走行状況によって航続可能距離は頻繁に変動します。一方、燃料メモリは比較的安定した表示ですが、正確な残量ではありません。
これらの表示を正しく理解することで、より効率的で安心な運転が可能になります。燃費を意識しつつ、早めの給油を心がけて快適なドライブを楽しみましょう。
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