最近、一部の大型商業施設の駐車場などで、大量の未登録車両が放置されているように見えるケースが注目を集めています。中でも「日産サクラ」のような電気自動車(EV)がナンバープレートなしで多数駐車されている光景に、不安や疑問を抱く方も少なくありません。この記事では、そのような現象がなぜ起きるのかを、多角的に解説します。
未登録車両が大量に保管される背景
一見すると放置されているように見える車両群ですが、多くの場合、これは「保管目的」の一時的な措置です。自動車メーカーやディーラーが販売前の在庫車両を一時的に保管するために、空いている商業施設の駐車場などを活用することがあります。
このような事例は、特に納車待ちが長期化しているときや、流通調整中の車種で見られます。日産サクラのような人気EV車種では、納車待ちに伴う一時的なストックの可能性も考えられます。
なぜイオンの駐車場に?
都市部では、大型商業施設の駐車場が夜間や営業外に空いていることが多く、物流拠点や保管場所として短期的に契約されるケースがあります。イオンモールのような大規模施設は、その広大な敷地が業者にとって魅力的です。
また、陸送の中継地点や、納車前点検の待機場としても使われることがあり、これは「放置」ではなく「管理下での一時保管」と理解すべきです。
なぜナンバーが付いていないのか?
ナンバーが付いていない車両は、「未登録車」と呼ばれ、販売前で名義が決まっていない状態です。この段階では自賠責保険や登録が未了のため、公道は走れませんが、私有地での保管は可能です。
メーカーの生産と登録のタイミングがずれると、納車予定の整合性を取るためのストックが発生します。このズレが原因で未登録車が一定期間滞留することがあります。
中国のEV墓場とは異なる事情
YouTubeなどで取り上げられている「中国のEV墓場」は、政策的な補助金終了や販売不振によって廃棄に近い形で放置された車が大量にある問題です。一方、日本で見られるこのような車両群は、廃棄ではなく在庫保管であり、根本的に異なります。
日本の自動車業界では、在庫リスクや保管費用に対して極めて慎重に対応しているため、放置され続けることはまずありません。
それでも長期間放置されているようなら?
仮に数ヶ月以上、同じ場所に同じ車が動かずに存在しているようであれば、以下のような可能性も考えられます。
- ディーラーの倒産・在庫過多
- リコール対象で販売停止状態
- 輸出や特定法人向けに販売予定での保管
このような場合は、メーカー広報やイオン側への確認が妥当です。
まとめ:見た目の異様さに惑わされず、背景を冷静に判断しよう
ナンバーの無い車が大量に駐車されている光景は一見異様に映りますが、その多くは販売や物流の一環として管理された状態です。中国のEV墓場とは全く異なる事情であり、過度な心配は不要です。
もし本当に不法な放置や環境への悪影響が懸念される場合は、地元自治体や駐車場管理者へ相談するのがよいでしょう。
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