新車の契約時にディーラーから納期についての説明を受けたものの、約束された納期が過ぎても連絡がない——このようなケースは少なくありません。今回は納車遅延が起きたときの対処法や交渉術、そして口約束のリスクについて具体例を交えて解説します。
ディーラーの納期は「確約」ではないことが多い
まず前提として、ディーラーが提示する納期の多くは「目安」であり、メーカーからの供給状況や輸送事情によって変動する可能性があることを理解しておきましょう。
たとえば「6月中には納車できると思います」といった表現は、文面上は確定ではなく予測に過ぎないため、法的な効力を持つ契約とは異なります。
納期遅延時のトラブルを防ぐためのポイント
納期に関するトラブルを避けるためには、書面での確認が非常に重要です。口頭だけのやりとりでは、後に「言った」「言わない」の水掛け論になりがちです。
今後のためにも、納期に関する説明は契約書や注文書などに明記してもらう、またはメールでのやりとりを残しておくよう心掛けましょう。
納期が遅れそうなときの交渉術
もし予定の納期に間に合いそうにないと分かった場合、冷静に、かつ根拠を持ってディーラーに相談することが大切です。
例:「ご担当者様、当初の説明では6月中の納車と伺っていたのですが、現状の進捗を確認させていただけますか? 車検の都合もあり、代車などの対応が必要になる可能性があります。」
このように、事情を伝えつつ代替案(代車提供など)を提案するのが有効です。
代車交渉のコツと現実的な対応
納期遅延により、現在の車の車検が切れるなど支障が出る場合は、代車の提供を求める交渉も現実的な選択肢です。ただし、無料での代車提供にはディーラー側の裁量が大きく関与するため、「強く主張しすぎない」ことが肝要です。
過去の例では「車検切れのリスクがあること」「当初の説明と納期が異なること」を丁寧に伝えた結果、代車提供に応じてもらえたというケースもあります。
今後同様のトラブルを避けるために
- 契約前に納期は「目安」であることを再確認
- 納期や条件をメール・文書で残す
- 余裕を持った車検・代替車のスケジュール管理
- 営業担当者の対応に不安があれば店長やメーカー本部に相談
これらの対応を事前に意識することで、トラブルの回避やスムーズな交渉がしやすくなります。
まとめ:冷静に事実と向き合い、丁寧な交渉を
納期の遅延は決して珍しいことではありませんが、対応を誤ると大きな不満や損失につながることもあります。重要なのは「口頭だけのやりとりを信用しすぎない」「トラブルが起きた際に冷静に事実を伝える」ことです。
誠意ある対応を引き出すには、こちらも誠実かつ事実ベースで交渉する姿勢が大切です。ディーラー側も納期に悩んでいる場合が多いため、相手の状況にも配慮しつつ、代車や条件の調整などを柔軟に提案していきましょう。
コメント