1998年式HA22Sアルトワークスにおいて、走行中にスピードメーターが動かなくなり、オドメーター表示だけが消えるという症状は、実はこの年代のスズキ車では珍しくありません。本記事では、同様の症状を経験したユーザー事例や整備現場で多い原因をもとに、考えられる不具合ポイントと現実的な対処方法を整理します。
症状の特徴から読み取れるポイント
バックライトは点灯したままで数字表示のみが消え、速度計も同時に動作しなくなる場合、電源が完全に落ちているわけではないことが分かります。
さらに、タコメーターや燃料計、警告灯が正常である点から、車両全体の電源系トラブルやバッテリー単体の不良である可能性は低く、メーター系統に限定された問題である可能性が高いです。
最も多い原因:メーター内部基板の劣化
HA22Sを含む90年代後半のスズキ車では、メーター内部の基板ハンダ割れや電解コンデンサ劣化が非常に多く報告されています。
振動や経年劣化により、特定の条件下で接触不良が起き、走行中に表示が消えたり、叩くと一時的に復活するケースもあります。エンジン再始動で直らないことがある点も、基板不良の典型例です。
車速センサーや配線トラブルの可能性
スピードメーターが動かない場合、ミッション側の車速センサー不良も候補になりますが、オドメーター表示が同時に消える場合は優先度が下がります。
ただし、メーター裏カプラーの接触不良やハーネス断線が原因で、振動により症状が出たり消えたりするケースもあるため、コネクタ清掃や接点復活剤の使用は有効です。
バッテリーや電圧変動は原因になりにくい
エンジン始動性に問題がなく、エアコンON/OFFなどの負荷変動で症状が変わらない場合、バッテリー劣化やオルタネーター不良の可能性は低いと考えられます。
実際、同様の症状を抱えた個体でバッテリー交換をしても改善しなかった例は多く報告されています。
現実的な対処法と修理費用の目安
最も確実な解決策は、メーターAssyの交換、または専門業者によるメーター修理です。中古メーター交換の場合は走行距離管理に注意が必要です。
基板修理の場合、費用は2万円〜4万円程度が相場で、ハンダ修正やコンデンサ交換により長期的に安定するケースが多いです。
まとめ:HA22Sでは定番トラブルとして考える
HA22Sアルトワークスで発生するスピードメーター・オドメーター消失症状は、バッテリーよりもメーター内部不良が原因である可能性が非常に高いです。
一時的に復活する挙動がある場合は、早めにメーター修理専門店や電装系に強い整備工場へ相談することで、無駄な部品交換を避け、確実な修理につながります。


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