アクティブサスペンションとエアサスの違いとは?市販車採用例と技術比較

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高級車やスポーツカーに搭載される先進のサスペンション技術として知られる「アクティブサスペンション」と「エアサスペンション」。その違いや市販車での採用実績について正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。この記事では、それぞれの技術の特徴と代表的な採用車種について解説します。

アクティブサスペンションとは?

アクティブサスペンションは、走行中に車体の動きをセンサーで検知し、油圧やモーターを使ってリアルタイムでダンパーや車高を制御するサスペンションです。目的は、ロールやピッチを抑制し、操縦安定性と快適性を両立させることにあります。

従来の受動的なサスペンションとは異なり、路面状況や運転状況に応じて瞬時に姿勢制御を行う点が最大の特徴です。

エアサスペンションとの違い

エアサスペンション(エアサス)は、空気圧で車高や減衰力を制御する方式です。路面の凹凸を吸収する性能に優れ、主に乗り心地の改善や車高調整が目的とされます。

対してアクティブサスペンションは、より高度な動的制御が可能であり、スポーツ走行にも対応します。つまり、エアサス=快適性重視、アクティブサス=走行性能重視と捉えることができます。

市販車におけるアクティブサスの採用例

日本車でアクティブサスペンションを初めて本格採用したのは、1991年に発売されたトヨタ ソアラ(UZZ32型)です。この車には「アクティブコントロールサスペンション」が搭載され、車体のロールやピッチを電動油圧で自動制御していました。

その後、海外の高級ブランドでも同様の技術が進化。たとえばメルセデス・ベンツの「マジックボディコントロール」や、BMWの「ダイナミックダンピングコントロール」などが知られています。

アクティブサスペンションは高性能なのか?

「高性能」の定義によりますが、走行性能・車体制御という点ではアクティブサスペンションが圧倒的に優位です。高速コーナリングや急な車線変更時にも安定性を保つことができ、スポーツカーやフラッグシップモデルには理想的な技術と言えるでしょう。

一方で、構造が複雑で重量も増えるため、コストや整備性の面では課題があります。

それでもエアサスが支持される理由

エアサスは構造が比較的シンプルで、コストを抑えやすく、乗り心地の調整も容易なため、SUVやミニバンなどのファミリーカーでも広く採用されています。また、荷物の積載量や乗員の人数に応じて車高を調整できる点は、実用車にとって大きなメリットです。

このように、アクティブサスとエアサスは「どちらが上」というよりも、「用途や目的が異なる」技術です。

まとめ:アクティブサスペンションは技術の頂点だが万能ではない

市販車でアクティブサスペンションを本格採用した日本車はソアラ(UZZ32型)が代表的ですが、近年は高級輸入車を中心に進化した技術が搭載されています。エアサスと比べて走行性能に優れていますが、コストや整備面ではデメリットもあるため、用途に応じた選択が重要です。

クルマ選びにおいては、サスペンションの仕組みも含めたトータルバランスで判断すると後悔のない選択につながるでしょう。

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