V125ボアアップ車に装着されることの多い「油漢(YUKAN)FIコントローラー」。中古車で付いていたが使い方が分からない、セッティングで悩んでいる、という声が多く聞かれます。特に息継ぎや燃料が濃い状態でのプラグ真っ黒問題など、初心者にとっては難解なポイントも。本記事では、油漢FIコントローラーの基礎からセッティングのコツ、実例まで詳しく解説します。
油漢FIコントローラーとは?仕組みと機能を簡単に解説
油漢FIコントローラーは、インジェクション(FI)制御車における燃料噴射量を調整するサブコンピューターです。特にボアアップやエアクリーナー・マフラー交換などで空燃比が狂いやすい車両に対して、燃料を増減させて最適化する役割を担います。
V125やアドレス系に多く採用され、スロットル開度や回転数に応じた燃料マップ調整ができるのが特徴です。
息継ぎの原因と燃調の判断方法
停止時からのフルスロットルで「息継ぎ」や「失火」が発生する場合、多くは燃料が濃すぎる(リッチ)または薄すぎる(リーン)のどちらかです。
プラグがすぐ黒くなる、カーボンが付着しているなら、燃料が濃い(リッチ)状態です。これはアイドリング~低回転域の燃料マップを見直す必要があるサインです。
油漢FIコントローラーの使い方:基本操作とモード
油漢のFIコントローラーには基本的に以下のモードがあります。
- LO:低回転域の燃料調整
- MD:中回転域
- HI:高回転域
- ACC:アクセル開け始め(レスポンス)
セッティングは通常、車体のカウル内などに設置された小型ユニットで「ボタン操作」または「ダイヤル操作」で行います。設定は1~9までの数値で表され、5が標準(±0)で、数値を上げるほど燃料増量、下げると減量されます。
セッティングのコツとトラブル回避のポイント
実際のセッティング例(V125ボアアップ車の一例)。
- LO:4(濃いなら3へ)
- MD:5
- HI:6
- ACC:4
※上記はあくまで目安です。乗り方、吸排気パーツ、ボアアップ内容により異なります。
ポイント:アイドリング中やアクセルを軽く開けた時の症状を観察し、LOとACCを中心に調整を繰り返すのが基本です。
セッティングでよくあるミスとその対処法
■燃料濃すぎて息継ぎ:LOやACCが6以上など高すぎる可能性。数値を1ずつ下げて確認。
■加速がモタつく:中回転~高回転の燃料が不足気味。MDやHIを+1ずつ調整。
■セッティング後も変化なし:バッテリー電圧低下やユニット断線など、別要因の可能性も。
まとめ:油漢FIコントローラーは調整次第で劇的に改善可能
中古で取り付け済みの油漢FIコントローラーでも、ポイントを押さえたセッティングによりエンジンの息継ぎや燃費悪化を改善できます。特に、LO・ACCの設定見直しは停止時からのスムーズな発進に直結します。
プラグチェックや体感フィーリングを頼りに、少しずつ変更して走行テストを繰り返すことが大切です。できれば同型の車両に乗る仲間と情報を共有しながら、最適なセッティングを探しましょう。
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