バイクが消える理由?排ガス規制の仕組みと対応できない車種がある理由とは

新車

近年、愛されてきた多くのバイクモデルが次々と生産終了に追い込まれています。その大きな要因の一つが「排ガス規制」です。バイクファンにとっては複雑な問題ですが、今回は排ガス規制とは何か、なぜ対応できる車種とできない車種があるのかをわかりやすく解説します。

排ガス規制とは何か?

排ガス規制(排出ガス規制)とは、大気汚染の原因となる有害物質(CO:一酸化炭素、HC:炭化水素、NOx:窒素酸化物など)の排出量を抑えるために国や地域ごとに定められている基準のことです。自動車やバイクはこれらの規制値をクリアしなければ販売できません。

日本では環境省が定める「自動車排出ガス規制」が段階的に厳しくなっており、バイクについても2017年に「平成28年排出ガス規制」が導入され、それに適合できないモデルは販売中止になっています。

規制に対応できないバイクがある理由

新しい排ガス規制に対応するには、高度な技術とコストが必要です。特に影響を受けるのが以下のようなバイクです。

  • 古い設計のエンジン:従来のキャブレター車や空冷エンジン車は、排出ガスを細かく制御することが難しいです。
  • 小排気量・低価格帯モデル:開発費をかけると採算が取れず、モデル自体が廃止されがちです。
  • 趣味性が高いマイナー車種:販売台数が少ないと開発費の回収が見込めないため、メーカーが対応を諦めるケースがあります。

実際に生産終了になったバイクの例

例として、ホンダの「モンキー」や「エイプ」、ヤマハの「SR400」などは、いずれも愛され続けた名車でしたが、排ガス規制の強化により一時的または恒久的に生産終了となりました。

特にSR400は40年以上続いたロングセラーモデルでしたが、空冷単気筒エンジンでは新基準をクリアするのが困難とされ、惜しまれながら2021年に生産を終了しました。

対応できる車種との違い

一方、現行モデルとして販売が続いているバイクは、インジェクション化やO2センサー、三元触媒などの排ガス浄化技術を取り入れています。こうした最新技術を組み込むことで、厳しい排ガス基準に適合しています。

例えば、ホンダ「スーパーカブ」やヤマハ「MTシリーズ」は、燃費と排ガスのバランスが取れるよう設計が刷新され、現在でもラインアップに残っています。

ユーザーとしてできること

ユーザーとしては、排ガス規制を正しく理解した上で、自分のニーズに合った車種を選ぶことが大切です。特に中古車を購入する際には、そのモデルが規制対象となっていないかや、将来的にパーツ供給が続くかを確認しましょう。

また、今後はEVバイクなど環境に配慮した選択肢も増えていく見込みです。排ガスゼロの時代に向けての移行期とも言えるでしょう。

まとめ:排ガス規制は時代の流れ、賢く対応する視点を

排ガス規制は環境保護の観点から避けて通れないものですが、すべてのバイクが一律に対応できるわけではありません。技術やコスト、モデルの設計思想によっては規制クリアが困難な場合もあります。大切なのは、自身の使い方や価値観に合ったバイク選びをすること。そして、時代とともに変わる規制に柔軟に対応していく視点を持つことが、バイクライフを長く楽しむカギとなるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました