自動車購入時にローンや残価設定プランを選択したものの、後から営業担当の説明と異なる事実を知り、困惑する方は少なくありません。特に「抽選対象になるにはローン必須」「繰上げ返済不可」などの条件提示が、店舗独自の方針や誤情報であった場合、消費者としてどう対応すべきかが課題となります。
販売店の説明と実際の契約内容の違い
販売現場での営業トークが強く影響する自動車販売では、契約前の説明と実際の契約内容に食い違いがあることも。ローンや残価設定に関して「繰上げ返済はできない」「現金購入だと抽選に当たらない」などの説明がされるケースがありますが、これが店舗独自の基準であることも多く、メーカーやファイナンス会社の公式方針とは異なる可能性があります。
たとえばトヨタの「残価設定型ローン」は、基本的に一定期間後に繰上げ返済が可能な仕組みですが、特定店舗では「転売防止」などを理由に、1年間の制限を設ける独自ルールを設けている場合もあります。
契約に関する説明義務と不備への対応
重要事項の説明が不十分だったり、虚偽の説明があった場合、消費者契約法や民法の「錯誤」「不実告知」に該当することがあります。この場合、契約の無効や損害賠償を請求できる可能性もあります。
ただし、契約書面に「繰上げ返済不可」など明記されていない限り、後日口頭で言われた内容のみでは法的な証拠とするのは難しいことも。録音やメモ、証人などがあれば、交渉の材料になります。
泣き寝入りしないためにできること
まず確認すべきは契約書の内容です。契約書に記載されている内容が全てのベースになるため、実際に制限があったかどうかを明記された条項で確認しましょう。また、「営業担当の説明と違う」と感じた場合は、以下の対応を検討しましょう。
- まず販売店の店長や責任者と話し合う
- それでも対応が不誠実な場合は、トヨタお客様相談センターなどに相談
- 消費生活センター(188)や弁護士への相談を検討
実際に、営業の誤説明や不適切な販売対応が原因で、契約解除や一部返金が認められた事例もあります。
将来的な再発防止と心構え
今回のような経験を今後に活かすためには、契約前に口頭説明と契約書面の内容が一致しているかを必ず確認することが大切です。「抽選対象にするためローンが必要」などの説明も、他のディーラーや公式サイトで情報を確認することで裏付けが取れます。
また、営業担当が変わると情報の更新や伝達がされないこともあるため、営業だけでなく店舗全体の対応品質を見ることも重要です。
まとめ
自動車購入時に営業担当の説明と実際の契約が異なることで、不信感や損失を感じることは珍しくありません。しかし、泣き寝入りせず契約書を確認し、販売店・メーカー・消費者機関に冷静に対応することで、改善を求めることも可能です。今後の契約時には、口頭の説明内容も書面に反映されているかを確認し、不安な点は事前に納得がいくまで質問することが、後悔のない選択に繋がります。
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