モンキーやダックスなどのカスタムでは、エンジンの排気量アップやスプロケット変更に続いて、強化クラッチの導入を検討する方が多くなります。とくに、加速やトルクに不満があると感じたときに、クラッチ交換は有効なチューニング手段です。この記事では、キタコの強化クラッチを中心に、ハイギヤレシオタイプとノーマルタイプの選び方や、それぞれの特徴を詳しく解説します。
キタコ製強化クラッチの2つのタイプとは?
キタコからは、主に「ノーマルレシオタイプ」と「ハイギヤレシオタイプ」の2種類の強化クラッチがラインナップされています。これらはプレート構成やギヤ比が異なり、それぞれに合った使い方が存在します。
ノーマルタイプは純正クラッチの強化版とも言える構成で、街乗りや中低速重視のセッティングに適しています。一方で、ハイギヤレシオタイプは高速域での巡航やトルクに余裕のあるエンジン向きです。
ハイギヤレシオのメリットとデメリット
ハイギヤレシオタイプは、ギヤ比がややロングに設定されており、巡航時のエンジン回転数を抑えることができます。例えば、80km/hでの巡航時にエンジン回転数を落とし、快適性と燃費を両立できます。
ただし、低中速の加速が鈍くなる傾向があり、エンジンのパワーが不足している場合は、思ったような走りができないこともあります。とくに、街乗りやストップ&ゴーが多い使い方では、立ち上がりのもたつきを感じるかもしれません。
ノーマルレシオタイプが向いているシチュエーション
ノーマルレシオタイプは、純正寄りのギヤ比で構成されており、低速からしっかりとトルクを発揮します。小排気量のまま走る場合や、スプロケットを加速寄りにしている場合には、このタイプが相性抜群です。
たとえば、12V 73ccのZ50Jに加速重視のリアスプロケット(例:30T以上)を入れている場合、ノーマルタイプのクラッチがベストマッチ。立ち上がりがスムーズで、街乗りに最適です。
スプロケットとの関係性を理解する
クラッチの特性とスプロケットの歯数は密接に関係しています。リアスプロケットを大きくすると加速が強くなり、フロントを小さくすると同様の効果が得られますが、どちらもエンジン回転数が上がりやすくなります。
その状態でハイギヤクラッチを入れると、ギヤ比が相殺されて高速寄りになるため、結果的にパワー不足を感じやすくなるケースがあります。スプロケットで加速重視にしているなら、ノーマルクラッチでのバランスが優れています。
実際の組み合わせ例と走行インプレ
ケース1:Z50J(73cc)+ノーマル強化クラッチ+リア34T
街中での信号ダッシュが軽快で、低速トルクも十分。2速・3速の伸びも自然で扱いやすい。
ケース2:Z50J(73cc)+ハイギヤクラッチ+リア34T
高回転まで回さないとトルクが乗らず、特に登坂や発進時に回転が落ち込む。高速道路では回転が抑えられ快適。
まとめ:どちらを選ぶべきか?
クラッチの選択は、エンジンの排気量やスプロケットとの相性、そして用途によって最適解が変わります。もし街乗り重視で、73ccエンジンに加速型のスプロケットを組んでいるなら、ノーマルレシオタイプの強化クラッチがバランスよく走りを楽しめるでしょう。
逆に、高速巡航やツーリングをメインに考えており、エンジン出力に余裕があるなら、ハイギヤレシオタイプも選択肢となります。最終的には、自身の走行スタイルに合わせて選ぶのが重要です。
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