キャブレター車の4気筒バイクにおいて、アイドリング中に突然エンストしてしまう症状は、ライダーにとって非常に厄介なトラブルのひとつです。特に「信号待ちでキーオフのように止まる」「タコメーターの針が1、2本分ブレる」といった現象には、いくつかの典型的な原因が考えられます。この記事では、その代表的な原因と解決へのヒントを詳しく解説します。
キャブレターのセッティング不良や詰まり
まず真っ先に疑うべきは、キャブレター内部の状態です。長期間清掃していないキャブ車では、スロージェットやエアスクリュー系の詰まりが起こりやすく、アイドリングが不安定になりやすいです。
特にスロージェットが詰まると、低回転域の燃料供給が不安定になり、信号待ちのようにスロットルを閉じた状態で混合気が薄くなりすぎ、エンストにつながることがあります。
電装系トラブルとアーシングの見直し
「キーをオフにしたようにエンストする」という症状からは、電装系の接触不良や断線も疑われます。特にCDI点火車両では、メインリレー、イグニッションスイッチ、バッテリー端子の緩みなどが原因になることも。
また、フレームやバッテリーからのアース不良も症状を引き起こす一因となります。アースポイントの腐食や接触不良があると、電圧が不安定になり、点火カットが発生する場合があります。
燃料供給系の不調(負圧コックやホース)
キャブ車の多くは負圧式のフューエルコックを採用しており、負圧ホースの亀裂やコック内部の劣化によって燃料供給が不安定になると、走行中は問題なくてもアイドリング中に燃料が不足し、突然エンストします。
特に気温が下がる時期や長期間乗らなかった後などに、この症状が出やすくなります。
イグニッションコイルやプラグコードの劣化
高年式車やメンテナンス歴のない車両では、イグニッションコイルやプラグコードが劣化して、高回転や負荷時は問題なくても低回転時に失火を起こすことがあります。タコメーターの針が微妙にブレるのは、点火不良のサインであることも。
点火系の部品交換は比較的コストが安く、リフレッシュにもつながるので、一定期間使用しているなら交換を検討してもよいでしょう。
実例:CB400SFでの似た症例
あるユーザーはCB400SF(キャブ仕様)で、停車時にエンストが頻発。点検の結果、イグニッションコイルの不良が判明し、交換後に症状が完全に解消されました。
別の例では、フューエルコックのダイヤフラム破れにより、アイドリング中に燃料供給が止まり、同様のエンスト症状が発生していました。
まとめ
信号待ちなどのアイドリング時に突然エンストする症状は、キャブ車特有の原因が複数絡んでいる場合が多く、燃料系・電装系・点火系の三方面から点検することが重要です。特に「タコメーター針の微ブレ」は点火系のトラブルを示唆するサインでもあるため、見逃さないようにしましょう。的確な点検と対処で、安定したエンジンコンディションを取り戻すことができます。
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