カワサキ・バリオスIIに乗っていて、整備後からアフターファイヤーが出るようになったという経験は、旧車ユーザーの中でもよくあるトラブルのひとつです。今回は特にキャブレター車であるバリオスII特有の要素を踏まえ、アフターファイヤーの原因や、ユーザー自身でできる点検・対処方法を解説します。
アフターファイヤーの主な原因とは
アフターファイヤー(マフラーからの「パンッ」という爆発音)は、主に未燃焼ガスが排気系で燃焼してしまうことで発生します。キャブ車では以下の要因が複合的に関係している可能性があります。
- 燃調のズレ(燃料が濃すぎる、または薄すぎる)
- 排気系のエア吸い(マフラーガスケットやエキパイ周辺の隙間)
- キャブ同調のズレ
- 点火系不調(プラグ劣化やイグニッションコイルの弱り)
整備後に症状が出た場合の考えられる原因
叔父さんが修理に出されたとのことなので、恐らくキャブレターのオーバーホールやフロート室の清掃、ジェット洗浄が行われた可能性が高いです。
この際にスロージェットやパイロットスクリューの調整が適切でなかった、あるいは燃料が薄すぎる状態になったことで、燃え残りが発生しアフターファイヤーに繋がっているケースが考えられます。
「2気筒だけ温まりが遅い」原因
この現象も見逃せません。以下のような原因が推測されます。
- 2番・3番のキャブが燃料供給不足または濃すぎる
- プラグ火花が弱く、燃焼が遅れている
- 同調がズレており、一部のシリンダーだけアイドリング時に燃焼が弱い
プラグの焼け具合を比較してみると、燃調や点火状態が把握しやすくなります。
自分で確認・対処できること
バイク屋に任せる前に、以下のような基本点検と調整で改善する可能性があります。
- プラグ点検・交換(規定ギャップ確認)
- マフラー接合部の排気漏れ確認(手を当てる・ススの付着)
- エアクリーナーの状態確認(汚れ・詰まり)
- アイドリング時の排気臭や回転の安定感を観察
さらに慣れている方であれば、パイロットスクリューの調整やキャブ同調(バキュームゲージ使用)にもチャレンジすることができます。
注意点とトラブル回避のポイント
アフターファイヤーはかっこよく感じる方もいるかもしれませんが、エキパイやマフラーへのダメージ、エンジンの負担増にもつながります。
点火系トラブルの場合、放置すればコイルやCDIユニットの寿命を縮めることもあるため、原因の切り分けは早めに行いましょう。
まとめ
バリオスIIでアフターファイヤーが発生する場合、燃調のズレ・点火系の不調・排気漏れ・キャブの同調ズレなどが複合的に影響している可能性が高いです。
自分でできる範囲のチェックを通じて原因を特定し、改善が見られなければキャブセッティングや点火系点検を専門店に依頼するのが安心です。旧車を楽しむ上で、こうしたトラブルシュートも含めて“育てていく”という楽しみもあります。
コメント