NSR50は元々公道走行可能なミニバイクとして販売されていたものの、サーキット仕様へと改造された個体も数多く存在します。そんなレース仕様のNSR50をもう一度ナンバーを取得して公道走行できるように戻すには、いくつかの要件を満たす必要があります。本記事ではその具体的な流れと注意点を解説します。
レース仕様のNSR50とは何が違うのか?
サーキット専用車両として使われているNSR50は、以下のような装備が外されている、または変更されています。
- ヘッドライト・ウインカー・テールランプなどの保安部品が非搭載
- ミラーやナンバーステーが外されている
- 社外チャンバーなど音量や排ガス基準を満たさない排気系
- 速度計・走行距離計の未装備
これらを全て戻す、または新たに保安基準に適合する部品に交換する必要があります。
必要な保安部品とその取り付け
公道復帰にあたり取り付けが必要な保安部品は以下のとおりです。
- ヘッドライト(ロービーム・ハイビーム機能付き)
- 前後ウインカー(オレンジ色、点滅周期に注意)
- テールランプ・ブレーキランプ
- ホーン
- ミラー(片側だけでも可)
- スピードメーター
- ナンバー灯
特に中古のレース仕様はハーネス(配線)が省略されていることも多く、配線の再構築や電源確保(バッテリーまたは発電)が必要になるケースもあります。
音量と排ガス規制への対応
レース用の社外チャンバーは音量が大きすぎたり、触媒がない場合があるため、車検(または登録検査)を通すにはノーマルマフラーに戻すのが確実です。
NSR50は原付二種にあたるため、自治体によっては騒音・排ガスのチェックも厳格に行われることがあります。中古で純正マフラーを探すか、JMCA認定マフラーを選ぶのが安全です。
ナンバー取得のための登録手順
市町村役場(軽自動車税担当課)にて125cc以下の原付二種として登録手続きを行います。その際に必要な書類は以下です。
- 譲渡証明書や売買契約書
- 車体番号の確認
- 完成車状態の写真(保安部品が付いている状態)
- 自賠責保険証明書
ナンバープレートを取得した後は、必ず自賠責保険に加入し、保険証書を車両に携行する義務があります。
点検整備記録簿と灯火類の検査を忘れずに
整備後は点検記録簿を用意しておきましょう。特にブレーキの効き、灯火類の動作、ウインカーの点滅速度(毎分60~120回)などがチェックされます。
テスター屋やバイクショップで事前にチェックしてもらえば安心です。
まとめ:NSR50の公道復帰は可能だが整備と確認がカギ
NSR50をレース仕様から公道仕様に戻すことは十分可能ですが、保安基準を満たすための装備や整備が必須です。手間はかかりますが、きちんと整備し直せば再びナンバー付きでの走行を楽しめます。
初めての方は、バイクショップに相談しながら進めると確実で安全です。旧車ならではの魅力を活かしつつ、法令を守ってバイクライフを楽しみましょう。
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