トラックにLEDマーカーを取り付ける際、「どの配線サイズを使えば安全か」「定格電流に対してコードはどれくらいの太さが必要か」といった疑問を持つ方は少なくありません。特に24V車でのLED設置は、ちょっとした配線選びのミスで点灯不良やトラブルを招く可能性があります。この記事では、LEDマーカーに適した配線サイズの選び方とその根拠を解説します。
定格電流から考える必要な電線サイズの基本
まず、電線を選定する際には「定格電流」に注目する必要があります。たとえば、1つ60mAのLEDマーカーを2つ使用する場合、合計の電流は120mA(=0.12A)です。
このような微小電流では、理論上は0.2sqの細い配線でも十分に対応可能です。0.2sqはおおよそ2〜3A程度まで対応できますので、0.12A程度なら余裕があることになります。
安全性を考慮した余裕ある配線選び
ただし、実際の車両配線では「通電距離」や「分岐点の数」「電圧降下の影響」などを考慮すると、少し余裕を見た設計が推奨されます。特にスモールランプから分岐して長距離配線する場合、0.5sqや0.75sqの電線を使用することで確実な電圧供給と安全性が確保できます。
例として、長さが2m以上ある配線の場合は、0.5sq以上を推奨する整備士が多く、接触不良や断線リスクも下げることができます。
配線コードの被覆と耐久性もチェックポイント
sq(スケア)のサイズだけでなく、コードの被覆の種類にも注意しましょう。外気に晒される可能性のあるトラックでは、耐熱・耐摩耗性の高い自動車専用コード(AVS線やAVSS線など)を使用するとトラブル回避につながります。
また、エンジン振動や路面の衝撃で配線が断線しないよう、配線の固定や保護チューブの使用も重要です。
ヒューズを挟むのも安全設計のひとつ
万が一のショートや過電流に備えて、分岐の元に小容量のヒューズ(0.5A〜1A)を入れることをおすすめします。LEDは消費電力が小さいため、細かいヒューズでの保護が可能です。
特に後付け配線の場合は、トラブル発生時の車両側への影響を最小限に抑えるためにも、ヒューズの挿入は非常に有効です。
配線設計の実例と現場の声
実際に同様の用途でLEDマーカーを取り付けたトラックオーナーの声では、「最初は0.2sqでつないだけど点滅が安定せず、0.5sqに替えたら解決した」といったケースもあります。
また、配線が長くなった場合や複数のLEDを連結する場合は、より太い配線に切り替えることで、発熱や電圧降下を防ぐことができたという実例もあります。
まとめ:LEDマーカー配線には余裕を持った設計を
定格電流が小さいLEDマーカーであっても、0.2sqでは「点く」けれど「安定しない」可能性があります。特にスモールランプなどの既存配線から分岐する場合は、配線長や負荷の変動も考慮して、0.5sq以上の電線を使うことでより安全に設置が可能です。
また、被覆素材・ヒューズの有無・固定方法なども含めてトータルでの配線設計が、LEDの寿命とトラックの安全性を高めるポイントになります。少しの工夫と注意が、長く安心して使えるLEDマーカー設置につながります。
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