車を一度も買い換えず、さらに修理工場に頼ったことがない――そんな人が「一番すごいのでは?」という声もあります。しかし、それは本当に理想的なカーライフの在り方なのでしょうか?今回は、そうしたスタイルが実際にどのような価値やリスクを持っているのかを、さまざまな視点から掘り下げていきます。
車を一度も買い換えないことの価値
一台の車を長く乗り続けるというのは、機械に対する愛着やメンテナンスへの高い意識を感じさせる行為です。特に日本車は耐久性に優れており、定期的な整備と丁寧な運転を心がければ、10年20万キロ以上乗ることも現実的です。
例えば、1990年代に販売されたトヨタのカローラや日産サニーなどは、今も地方で現役という話を耳にすることがあります。これはユーザーの管理の賜物とも言えるでしょう。
修理工場に頼らない=すごい?それとも危険?
修理工場に一度も頼らないというのは、故障が起きないほど丁寧に乗っているか、自分で整備しているかのどちらかが想定されます。しかしながら、車は定期的に点検が必要な精密機械です。特にブレーキや足回りなど安全に関わる部分は、プロの目で確認するべきです。
整備なし=節約という考え方は短期的には成立しても、重大なトラブルを招く可能性があり、結果的に大きな出費に繋がる恐れがあります。
自分で整備する「DIY派」が本当にすごい
修理工場に頼らない人の中には、すべてのメンテナンスを自分でこなすDIY整備派も存在します。オイル交換、ブレーキパッドの交換、冷却水の補充など、基本的な整備を自宅でこなす人たちは、知識と技術を併せ持ち、非常に高いスキルを持っていると言えるでしょう。
実際に、YouTubeやSNSには「自分でやってみた」系の車整備動画が数多く投稿されており、そうした情報から学ぶユーザーも増えています。
一方で見落とされがちなリスク
DIY整備にはリスクもあります。整備に自信がないまま無理に作業を行うと、結果的に安全性を損なうことも。例えばジャッキアップ時の車両落下事故や、トルク不足によるナットの緩みなどは、命に関わる事故に直結します。
信頼できる整備士に任せることも、長く安全に乗るための重要な選択肢です。
買い換えないことのデメリットにも目を向けて
同じ車を乗り続けることは経済的な面で有利に見えますが、新型車に比べると燃費や安全性能、快適装備の面で差が出てきます。また、車検や修理費が年々高くなるケースもあり、結果的に新車に乗り換えた方がコストパフォーマンスが良いということも。
あるユーザーの例では、13年を超えると自動車税の増額や重量税の加算など「13年超えペナルティ」が発生し、維持費の面で不利になったとの声もあります。
まとめ:すごさはスタイルの一つであって絶対的な基準ではない
車を一度も買い換えず、修理も自力でこなす人は確かにすごい存在です。ただし、それがすべての人にとってベストとは限りません。安全性、快適性、経済性といったバランスを考え、自分に合ったカーライフを選ぶことが大切です。
「すごい人」に学ぶことは多いですが、自分に合った方法で、長く安心して車と付き合っていくことが最も重要なポイントでしょう。
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