車検には数時間〜丸一日かかる業者もあれば、1時間で終わるスピード車検もあります。便利な反面、「短時間の車検だと最低限の検査しかせず、不具合に気づけないのでは?」と不安に感じる人も少なくありません。この記事では、短時間車検の仕組みと注意点、実際に起こり得るリスクをわかりやすく解説します。
1時間車検が可能な理由とは?
近年増えているスピード車検は、車検ラインの近くに工場を併設していたり、作業工程を効率化しているため短時間で終了できます。法定点検の項目自体は変わらず、基本的に必要な点検は全て行われています。
ただし、一般的な整備工場が行う「車検+予防整備」とは違い、“車検に通る最低ライン”を確認することが中心です。そのため、細かい消耗具合まで深くチェックするわけではありません。
短時間車検のメリットとデメリット
短時間車検には大きなメリットがあり、仕事や育児で忙しい人には便利な選択肢です。しかし短時間ならではの注意点も存在します。
メリット:時間が短い・費用が比較的安い・代車不要など
デメリット:深い整備が行われにくい・消耗品の提案が少ない・後から不調に気づく可能性がある
短時間車検で実際に起きやすい不具合とは?
短時間の車検でも法定基準はクリアできますが、「車検に通るレベル」と「故障しないレベル」は必ずしも一致しません。そのため、消耗品がギリギリでも見落とされることがあります。
例えば、以下のような不具合は後から気づきやすい代表例です。
- ブレーキパッド残量が少ない(車検基準は甘め)
- ドライブシャフトブーツの軽微なヒビ
- バッテリー性能の低下
- オイル漏れの初期症状
これらは“車検に通る”一方、“後に故障しやすい”という微妙なラインのため、深い整備を行わないスピード車検では見落としがちです。
実例:短時間車検後に不具合が出たケース
短時間車検を受けた後、数週間〜数ヶ月で不調が出たという相談は実際にあります。例として、あるユーザーは短時間車検後にエンジンオイル漏れが悪化し、追加修理が必要になりました。
別のケースでは、車検ではギリギリ残量があったブレーキパッドが半年後に寿命となり、急な交換が必要になったという事例もあります。
これらは「短時間車検が悪い」わけではなく、“予防整備までカバーしないこと”が原因です。
短時間車検を選ぶときに失敗しないポイント
スピード車検でも安全に乗り続けるためのコツがあります。信頼できる業者を選び、必要に応じて追加の点検を依頼すれば問題は大きく減らせます。
おすすめの対策は以下の通りです。
- 追加の「予防点検」も依頼する
- 消耗品のチェックを自分でも確認する(バッテリー・タイヤ・オイル類)
- 口コミ評価の高い業者を選ぶ
- 普段整備を依頼している工場と併用する
こうすることで、短時間車検のメリットを活かしつつ、不具合のリスクを最小限にできます。
丸一日預ける車検との違いも理解しよう
長時間または一日預かりの車検は「点検+整備」がセットで、車検後に不具合が出にくいのが特徴です。費用は高い場合もありますが、
・車の状態を深く確認
・消耗品の早期発見
・トラブル予防
これらのメリットがあるため、長く車に乗る人には安心度が高い方法と言えます。
まとめ:短時間車検でも安全に利用できるが、予防整備は別物
1時間程度の短時間車検は「車検基準に通るか」を判断するもので、安全に走り続けるための“予防整備”まではカバーしていません。そのため、後から不具合が発生する可能性はありますが、信頼できる業者を選び、必要に応じて追加チェックを依頼すればリスクを大幅に減らすことができます。
車検の目的を正しく理解し、“時間・費用・安全性”のバランスを取りながら、自分に合った方法を選ぶことが重要です。


コメント