DIYで冷却ファンを追加する際に「リレーを使うべきか?」という疑問は多くのユーザーが抱える課題です。とくに80Wクラスの電動ファンをスイッチ操作で制御する場合、適切な配線設計が重要になります。この記事では、安全かつ確実に動作させるための方法を解説します。
電動ファンの基本的な消費電流
80Wのファンを12V車両で動作させる場合、計算上の電流は以下の通りです。
80W ÷ 12V = 約6.7A
となります。
この数値は連続動作時の平均的な電流であり、モーターの起動時には一時的に倍以上の電流が流れることがあるため、配線やスイッチ選定は慎重に行う必要があります。
リレーを使わずに直接スイッチ制御する場合の注意点
10A対応のスイッチを使用する場合、一見すると6.7A程度のファンは許容範囲内に見えます。しかし、実際には以下のようなリスクが伴います。
- スイッチの端子が熱を持ち、焼損のリスクがある
- 電圧降下によりファンが十分に回らない可能性
- スイッチの寿命が著しく短くなる
そのため、中~大出力の電装品にはリレーの併用が推奨されます。
リレーを使った基本配線図の構成
リレーを挿入することで、スイッチには微小な制御電流しか流れず、安全かつ確実にファンを作動させることが可能です。以下のような構成が基本です。
- バッテリー(+) → ヒューズ → リレー端子30
- リレー端子87 → ファン(+)
- ファン(−) → アース
- リレー端子86 → スイッチ → イグニッション連動電源
- リレー端子85 → アース
この構成であれば、スイッチには0.1A〜0.3A程度しか流れず、10Aスイッチでも十分に余裕があります。
推奨されるリレーとヒューズ容量
80Wのファンであれば、最低でも15A対応のリレーを選び、ヒューズは10A~15A程度を装着しておくのがベストです。特にエーモン製やBOSCH製のリレーは信頼性が高く、多くの車両で使用されています。
ヒューズはバッテリー直後に挿入し、万が一のショート時にも安全に遮断されるようにしておきましょう。
まとめ
80Wクラスの冷却ファンをスイッチで操作したい場合、10Aスイッチ単体での制御は理論上可能でも、リスクを伴います。安全性・耐久性を考慮するなら、必ずリレーを介した配線をおすすめします。安心して長く使えるシステムを構築するためにも、配線設計は手を抜かずに行いましょう。
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